利益相反と弁護士
2021年03月08日
東京自由が丘事務所
弁護士 松山 光樹
弁護士法人愛知総合法律事務所では,現在,面談による法律相談,オンラインによる法律相談,電話による法律相談を,初回無料にて行っております。
法律相談の申込みの際には,お電話をいただいた方の氏名・ご住所・お電話番号・生年月日,相手方の氏名等の情報を聴き取りさせていただいております。この点について,「なぜそのような情報を言わなければならないのか。」「早く弁護士に相談をしたいので省略してほしい。」と思われる方もいらっしゃるかと思います。私自身も,自分の個人情報を聞かれたときには,少し身構えてしまうので,そのように思われることはごく自然なことだと思います。今回は,なぜそのような情報の聴き取りが必要になるのか,お話させていただければと思います。
時々,弁護士は中立的な第三者というイメージを持っておられる方もいらっしゃいますが,基本的に,弁護士は,信頼関係に基づき,ご依頼・ご相談いただいた方の利益を最大限実現するために日々職務を行っています。例えば,次のような事例の場合にどうなるか考えてみましょう。
Aさんは,妻であるBさんがCさんと浮気をしていたことを知り,BさんとCさんに対して慰謝料を請求したいと思い,法律相談を申込み,弁護士法人愛知総合法律事務所浜松事務所の松山弁護士に相談・依頼をしました。
そのすぐ後に,Bさんが,浮気をしてしまったので慰謝料請求されるかもしれない,浮気は許されることではないが,くむべき事情もあるので,それを考慮した妥当な慰謝料になるよう対応してもらいたいと思い,弁護士法人愛知総合法律事務所に法律相談を申し込みました。
※架空の事例です。
A→→→(不貞慰謝料請求)→→→B,C
この場合,Bさんからの相談,依頼を受け付けるとどうなってしまうでしょうか。Aさんから依頼を受けて,Aさんのために弁護活動を行っていた松山弁護士は,Bさんからの相談・依頼を受けてしまうと,Bさんのためにも弁護活動を行わなければならなくなってしまいます。AさんのためにがんばるとBさんが不利益になり,BさんのためにがんばるとAさんの不利益になってしまいます。
また,松山弁護士は,Aさんから相談・依頼を受けるうえで,信頼関係に基づいて,話しにくいこともお話していただくことになります。松山弁護士は,守秘義務を負っているので,Bさんからの相談・依頼の際に,Aさんにお話しいただいたことを暴露したり利用したりすることは当然ありませんが,いつでもそのような状況が起こり得てしまうということになると,AさんもBさんも,「弁護士は守秘義務を負っているから言わないかもしれないけれど,なんとなく不安になってしまう・・・。本当に安心して自分の事情を説明してよいのだろうか。」と思ってしまうかもしれません。
Aさんから依頼を受けた松山弁護士は,上記のような点があるので,Bさんから相談や依頼を受けることができません。このような類型を利益相反と呼んでいます。弁護士は,弁護士職務基本規程(というものがあるのです)上,利益相反がある場合には職務を行ってはならない,とされています。上記の例はイメージがしやすい類型ですが,そのほかにも,利益相反に当たる類型がいくつか規程されています。
弁護士法人愛知総合法律事務所が個人情報を聴き取りするのは,上記のルールを守るためなのです。個人情報ということで,お話することに抵抗を覚えるお気持ちも十分理解できますが,理由があってのことですので,ご理解いただければと思います。もちろん,前述したとおり,守秘義務を負っておりますので,弁護士法人愛知総合法律事務所が,個人情報につき,ご本人の事前の同意を得た場合,法令に基づく場合その他法律上認められている場合を除き第三者に提供することはありません(詳細は,プライバシーポリシーもご確認ください。)。
安心して弁護士に相談・依頼するために必要なことですので,何卒ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。
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