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弁護士コラム Column

モラハラ離婚について名古屋の弁護士が解説

2023年04月25日
名古屋新瑞橋事務所  弁護士 佐藤 康平

モラハラとは

モラハラとは、モラルハラスメントの略称で、夫婦関係においては、身体的暴力であるDVとは異なり、いわゆる精神的虐待を意味するものです。​​身体的暴力であるDVとの対比で、精神的DV、などと呼ばれることもあります。

​​ 具体的には、無視をする、心ない言葉を浴びせ続ける、仕事や家事について過剰な要求を行う等、その内容は多岐にわたります。

モラハラを理由に離婚できるのか

前提として、離婚の手段は ⑴ 協議離婚 ⑵ 調停離婚 ⑶ 裁判離婚 に大別されます。

​​このうち、⑴と⑵については、裁判所が関与する手続であるかどうかの差はありますが、双方の合意によって離婚するものですので、双方が合意できれば、離婚できるということになります。

​​ 一方、裁判離婚(すなわち、合意で離婚ができなかった場合。)には、法的な離婚原因(民法770条1項)が存在することが必要になります。

​​そのうち、モラハラによる離婚の多くは、「婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法770条1項5号)にあたるかどうかが問題となります。

​​「婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたるかどうかは、モラハラ以外の夫婦関係も含めた個別具体的な判断になりますが、モラハラがひどく、もはや共同生活を達成しえなくなり、その回復の見込みがないような場合には、離婚が認められる余地は十分にあると考えられます。

モラハラによる子どもへのリスク

モラハラは、継続的に家庭内で行われるものであるため、子どもにモラハラが向くケースはもちろんのこと、そうでないケースにおいても、子どもにとっては非常につらい状況が継続することになります。

​​ 子どもの心理についての専門家ではありませんが、モラハラによる子どもへの影響は極めて大きいのではないかと思います。

モラハラで離婚するために弁護士に相談するメリット

モラハラによる離婚を求めるケースにおいては、一例ですが、以下のようなハードルがあります。

⑴ モラハラを受けている方は、離婚を希望していたとしても、相手方(配偶者)と直接話をすることが怖く、難しいケースが多い

​​ ⑵ モラハラの特徴として、無自覚に行われることも多いため、なぜ離婚を求められているか真に理解できていないことも多いように思われ、交渉が難航することが多い

​​ ⑶ 身体的暴力とは異なり、証拠に乏しいケースが多い


​​そのようなケースにおいて、弁護士が代理人として介入することで、相手方と直接話をすることなく、スムーズに交渉を進めることができることがあります。

​​また、交渉が難航した場合でも、離婚調停→離婚訴訟と、手続を進めていくことができます。
​証拠の収集についても、適切にアドバイスができます。 おひとりで悩むことなく、ぜひご相談を頂ければと思います。

慰謝料請求について

モラハラを原因として離婚できるかは上記のとおりですが、場合によって、慰謝料請求をすることも考えられます。

慰謝料請求が認められるかどうかも、離婚が認められるかどうかと同様に、個別具体的な判断とならざるを得ませんが、離婚を認めるべきほどのモラハラがある場合には、慰謝料請求が認められる余地も十分にあると思います。

​​慰謝料額は、モラハラ行為自体の悪質性・継続性・それによる夫婦関係への影響・それによる心身への影響等の諸般の事情により、判断されることになります。

証拠になるもの

モラハラにおいては、それが家庭内で行われることである上、DVのように直接的な暴力ではないため、証拠の収集が難しいところがあります。

​​しかし、裁判所で離婚を認めてもらうためには、相手方がモラハラの事実を認めない場合、証拠によりモラハラがあったことを明らかにする必要があります。

証拠としては、例えば、以下のようなものが考えられます。

  1. 録音データ
  2. メールやLINEのやり取り
  3. 精神科や心療内科の受診記録
  4. 日記やメモ等

もちろん、これに限られるものではありませので、お困りの際は、ぜひ弁護士にご相談を頂ければと思います。

まとめ

モラハラによる離婚が認められるか、慰謝料請求が認められるか等は、以上のとおりとなります。モラハラにより苦しんでおり、離婚を検討されている方が、本記事により少しでも明るい未来に向かって一歩踏み出すきっかけになれば、非常に嬉しく思います。 ひとりで悩むことなく、ぜひ弁護士にご相談下さい。

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