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弁護士コラム Column

浮気相手が複数人いる時の慰謝料請求のポイント

2024年09月17日
小牧事務所  弁護士 小出 麻緒

浮気相手が複数人いたら慰謝料は増える?

もしあなたの夫(又は妻)に浮気相手がいた場合、夫(又は妻)だけでなく、浮気相手にも慰謝料が請求できる可能性があります。

​​では、浮気相手が一人ではなく、複数人いた場合に浮気相手全員に慰謝料を請求することができるでしょうか。

​​ この点については、原則、浮気相手全員に対し、それぞれ慰謝料の請求をすることができると考えられています。もっとも、後述するように例外もあります。

​​では、受け取れる慰謝料の額は、浮気相手の人数に応じて倍増するのでしょうか。 結論としては、浮気相手が複数人いれば慰謝料が増える可能性は高いといえます。

​​ただし、人数に比例して倍増するわけではないということには注意が必要です。 理由としては、浮気相手の人数が増えても必ずしもそれによってあなたの精神的苦痛が比例して大きくなるわけではないと考えられているためです。

​​また、浮気の期間や回数・頻度が一人一人異なるため、請求できる慰謝料の額も異なってきます。

​​なお、裁判例によっては複数の浮気相手がいる場合に請求できる慰謝料の減額を認めたもの、減額を認めなかったものがあり、その見解が分かれているといえます(東京地方裁判所平成28年10月11日判決、東京地方裁判所平成30年2月15日判決)。

浮気相手全員から慰謝料請求とれる?

また、浮気相手に対する慰謝料請求の法的根拠は、浮気相手とあなたの夫(又は妻)が共同で円満な夫婦共同生活を壊したものと捉え、民法上の不法行為(二人で行っているため「共同不法行為」といいます。)に基づく請求であると考えられています。

​​そのため、浮気相手に慰謝料を請求するためには、浮気相手の一人一人に、それぞれ不法行為の要件である「故意又は過失」があることが前提となり、そうした要件を満たす浮気相手であるかどうか検討した上で、主張立証を行っていく必要があるといえます。

​​逆に、不法行為の要件を満たさない浮気相手である場合には、残念ながら慰謝料請求ができないことがあります。

たとえば、あなたの夫(又は妻)が浮気相手に結婚していることを隠しており、浮気相手があなたの夫(又は妻)に妻(又は夫)がいることを知らず、知ることができる状況にもなかったといえるときには、「故意又は過失」が認められないとされる典型的なケースといえます。

​​したがって、仮に浮気相手全員に請求しても、全員から慰謝料が支払われるとは限らないことには注意が必要です。

二重取りにならずに複数人から慰謝料をとれる場合

まず、浮気相手から慰謝料が支払われる場合、原則として、あなたの夫(又は妻)に対して慰謝料の請求をすることができなくなり、それは二重取り防止の原則によるものといわれています。

​​二重取りとなってしまうと、相当な範囲を超える額については、民法上の不当利得として返還しなければならない可能性があります。

​​他方で、浮気相手、あなた、あなたの夫(又は妻)の三者全員で合意した場合には、浮気相手・あなたの夫(又は妻)の双方に慰謝料を請求できる場合もあり、この場合には二重取りの主張を避けることが可能です。

また、原則として、浮気相手が慰謝料を支払う場合には、あなたの夫(又は妻)に 「求償」することができるとされています。

​​そのため、あなたの夫(又は妻)に「求償」させず、浮気相手だけに負担してもらいたい場合には、浮気相手にあなたの夫(又は妻)への「求償権を放棄」してもらい、その内容を合意書面に明記しておく必要があるといえます。

なお、ケースバイケースではありますが、複数人の浮気相手と同時に交渉する際、示談成立後の二重取りの主張を避けるため、その浮気相手以外にも浮気相手がいることを開示し、前提事実として交渉を進めることが必要な場合があるかと思います。

​​その場合は、他の浮気相手がいても必ずしも慰謝料の減額は認められないとした上記裁判例(前掲・東京地方裁判所平成30年2月15日判決)が参考になるといえるでしょう。

​​もっとも、浮気相手が複数いることを開示したことによりそれぞれの交渉が決裂してしまう可能性もありますので、開示するかどうかについては慎重に判断することが必要です。

このような慰謝料請求について弁護士に相談するメリット

円満に夫婦生活を送る中で、浮気相手の存在をある日突然知ってしまうだけで精神的な負担がかかりますし、まして複数人の浮気相手がいるとなれば、それぞれの浮気相手と交渉することになって時間的な負担もかかり、当然それだけ精神的な負担も大きくなることが予想されます。

​​また、個別に「故意又は過失」などの不法行為の要件を満たすのかについて検討する必要があり、特に「過失」については法的評価を伴うため、法律の専門家でなければ一定の判断を行って見通しを立てることは難しいかもしれません。

​​そして、二重取りを避けた上で、できるだけ高額な慰謝料を支払ってもらうためには弁護士の下で情報を集約しておく必要が高いといえます。   

​​弁護士にご相談される際には、慰謝料の金額が変わりうるポイントを解説させていただき、その上でご依頼になった場合には交渉のご負担も軽減していただけるかと思います。   

​​まずは、一度弁護士にご相談いただくことをおすすめしたいと思います。

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