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弁護士コラム Column

財産分与と生命保険

2021年09月30日
名古屋丸の内本部事務所  弁護士 中内 良枝

弁護士法人愛知総合法律事務所の離婚コラムをご覧の皆様,弁護士の中内良枝です。
​ 今回は,財産分与についてのコラム第3回となります。

​​ コラムの第3回では,生命保険が財産分与の対象となるかについて説明します。

​​ コラムの第1回でご説明したように,財産分与は婚姻期間中に夫婦で形成した共有財産を分けるという制度です。そのため,共有財産から生命保険の掛け金を支払っていた場合は,その解約返戻金相当額は,預貯金と同様に財産分与の対象となります。

​​ 解約返戻金といっても,実際に生命保険を解約しなければならないわけではなく,基準日に解約したと仮定した場合の解約返戻金を対象とすることもできます。

​​ もっとも,婚姻前に生命保険契約を締結し,保険料の支払いをしていたという方もいらっしゃると思います。このように婚姻前の財産(特有財産)による保険料の支払いがある場合には,基準時における解約返戻金の額をそのまま財産分与の対象とすることは適切ではありません。

​​ このような場合には,解約返戻金のうち,婚姻期間の保険料の支払いに相当する金額を算出する必要があります。
​ 具体的には,①別居時の解約返戻金から婚姻時の解約返戻金を控除する,②契約期間のうち婚姻期間で案分する方法などが考えられます。

​​ 生命保険については不動産や預貯金と異なり忘れがちであるため、ご注意していただければと思います。

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