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弁護士コラム Column

法律上の離婚原因

2016年02月22日
名古屋丸の内本部事務所  弁護士 渡邊 健司

 昔,夫婦の問題に関する短いドラマが示されて「離婚できるか」という問いに数人の弁護士が回答する法律番組がありました。弁護士によっても答えが割れることが多く,「離婚できるか」という問題について,明確な答えがなく,見解の分かれうるものであることに驚かれた方もいるかもしれません。
 さて,現実に配偶者と離婚したい場合,まずは双方の合意で離婚できるかを模索することになりますが,配偶者の離婚を拒否した場合,最終的には,離婚訴訟を提起して裁判所の判決による強制的な離婚を求めることになります。このとき,裁判所が判決によって強制的に離婚させるためには,法律上の「離婚原因」に該当することが必要です。法律番組で扱っていた「離婚できるか」という問題は,突き詰めれば法律上の「離婚原因」に該当するかということなのです。
 民法では,法律上の離婚原因として,①不貞行為,②悪意の遺棄,③3年以上の生死不明,④回復の見込みがない強度の精神病,⑤婚姻を継続し難い重大な事由,の5つが挙げられています(民法770条1項)。経験上,よく持ち上がる離婚原因は①不貞行為と⑤婚姻を継続し難い重大な事由でしょうか。
 離婚のご相談をいただいた場合,様々な離婚を求めるに至ったご事情をお聞きしますが,特に「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するか判断に悩む場合もあります。法律番組で弁護士の見解も分かれているとおり,必ずしも明確な見通しが立てられるとは限らないところですが,過去の経験や判例に基づき,ご相談者様のご意向も踏まえてご回答できるよう努めています。
名古屋丸の内本部事務所 弁護士 渡邊 健司

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