遺言の付言事項とは
刈谷市は令和2年度の相続人が2575名と、愛知県内の税務署の中でも4番目の人数でした。(国税局統計より)相続についてお悩みの方が多くいらっしゃる地域だと思います。
そこで今回は相続のご相談でもよくある「遺言について」。遺言書には書き方がありますが、「付言事項」という部分について弁護士法人愛知総合法律事務所 刈谷事務所の所長が解説いたします。
相続のご相談でよくある「遺言」について
「ゆいごんは 最後に書ける ラブレター」 日本財団が行っている「ゆいごん川柳」の第1回大賞作品です。 遺言といえば,書き方(方式の要件)が決まっていたり,法的に意味があるものということで固く考えられている方も多いと思います。 一方で,遺言は,残された家族らに最後のメッセージを伝える機会でもあります。
遺言に書ける事
遺言でできる行為(遺言事項)には,遺贈,遺産分割方法の指定,遺言執行者の指定などが法律で定められていますが,遺言事項以外のことを記載しても遺言が無効になるわけではありません。
遺言事項以外で記載した事項のことを付言事項といいます。
付言事項の例としては,残される家族に対する感謝の言葉や遺産分割方法を指定する場合にその理由を記載したり,葬儀の方法などがあります。
付言事項を書くことにより,自分の思いが家族に伝わるだけでなく,相続人が納得して無用の紛争を予防することも期待できます。
ただし,付言事項で書いた内容によって特定の相続人が不満を募らせたりすることも否定できません。
弁護士は,法律の専門家であるとともに,依頼者のために客観的な見地からアドバイスすることも職務と考えていますので,一度弁護士に遺言の案を見てもらうのも有用だと思います。
遺言の書き方を弁護士に相談することは,好きな人にあてる「ラブレター」を恋愛の達人である友人に見てもらうようなものなのかもしれません。