相続と生前贈与

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弁護士コラム Column

相続と生前贈与

2015年11月09日
高蔵寺事務所  弁護士 服部 文哉

ときどき、相続税対策として生前贈与を行おうと考えているのですが、という相談を受けることがあります。たしかに、暦年課税制度を用いることにより、贈与を受ける人一人につき年間110万円の基礎控除を受けることが出来るので、生前贈与が相続税対策として有効となることもありえます。

​​しかし、気を付けなければいけないのが、生前贈与はあくまで贈与契約という複数当事者間の「契約」であるという点です。法律上も、「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」と相手方の受諾が要件とされています(なお、遺贈は単独行為であるため、受諾は必要とされていません)。

​​つまり、例えば自分の子ども名義の預金口座を作って、そこに毎年100万円ずつ入れておくような方法で生前贈与を行おうとしても、亡くなったあとに、これでは贈与が行われているとはいえないとして、相続税の対象となってしまう可能性があります。このような事態を避けるためには、贈与契約書を作成しておくことが一番の対策だといえます。

​​自らの相続において、思い描いている通りの結果が実現できたかどうか、これは自分では確かめようがありません。専門家に相談して、何か落とし穴がないか、準備しておけるようなことがないか、確認しておくのがよいかと思います。是非一度ご相談いただければと思います。

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