遺産分割前の相続預金の払戻制度③
2021年05月28日
岡崎事務所
弁護士 安井 孝侑記
遺産分割前の相続預金の払戻制度③
岡崎事務所所長弁護士の安井孝侑記です。
私は、岡崎市、幸田町、西尾市、安城市、碧南市、刈谷市、知立市、高浜市、豊田市を含む西三河地方の皆様から、相談をいただいておりますが、その中でも割合の多い相続について少し記事を書きたいと思います。
今回の記事の内容は,遺産分割前の預貯金の払戻しの手続の記事の続編です。
これまでの記事をごらんになっていない方はぜひ一度呼んでみてください。
第1回の記事はこちら
第2回の記事はこちら
さて、今日は遺産分割前の相続預金の払戻制度の処理について少し説明します。
1 効果
まず、その効果です。
当該制度により預貯金の払戻をした場合は、その相続人が遺産の一部分割によりこれを取得したものとみなされます。
当然といえば当然ですが、この制度を使って通常より取り分が増えるわけではありません。
仮に、このときに受けとった金額が、その相続人の具体的な相続分を超えてしまった場合には、その超過分について返還する義務を負います。
もともと認められている払戻の範囲からすれば、この問題が起きるのは当該払戻制度を利用した相続人に特別受益が観念できる場合等に限られますね。
2 当該請求権が差し押さえの対象となるか
次に少し難しい話になりますが、この相続人債権者が、同相続人の払戻請求権を差し押さえることができるか、というとその性質からこれはできないとされています。
3 実務への影響
この制度ができたことから、裁判所の所定の書式である遺産分割調停の申立書には、当該払戻制度の利用の有無について、記載する欄が追加されています。
裁判所のサイトはこちら
また、この制度を利用した場合のその後の遺産分割の計算式については、当該払戻をした預貯金は遺産分割時の遺産の範囲からは外され、特別受益の持戻計算と同じように処理されます。
当該制度の効果は上記のとおりです。
当該制度を利用しようと考えていらっしゃる方、この制度を利用することで、今後の遺産部のにどのような影響がでるのか気にしている方は、一度法律事務所に相談されることをおすすめいたします。
愛知総合法律事務所岡崎事務所は、東岡崎駅南口徒歩1分の場所に位置しております。
初回法律相談は無料で実施しております。
遺産分割前の相続預金の払戻制度を含む相続の問題でお悩みの方は一度弁護士にご相談されることをおすすめいたします。
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