不動産の相続問題

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弁護士コラム Column

相続放棄と不動産の管理

2021年04月26日
岐阜大垣事務所  弁護士 加藤 純介

岐阜大垣事務所所長の弁護士加藤純介です。

人が亡くなると相続が発生しますが、負債の方が財産を上回るような場合には、相続放棄することができます。

では、相続放棄した場合、不動産の管理義務はどうなるのでしょうか。 岐阜県には田畑が多く存在しますが、農業を続けるには多大な労力もかかる反面、放置すればあっという間に荒れ地になってしまうため、不動産の管理は悩ましいこともあるかと思います。

基本的に相続放棄をすると、次順位の相続人が新たに相続人になり、相続放棄した相続人は、財産の管理義務を免れることになります。
​ ただし、相続を放棄した者は、放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるようになるまで、自己の財産と同一の注意をもって財産の管理を継続しなければならない。
​ と民法が定めているため、完全に財産管理を免れるわけでないことには注意が必要です。

​​ 例えば、もし家屋が倒壊して近隣に被害が発生した場合には、相続放棄後であっても、賠償責任を負うおそれがあるのです。

​​ では、相続放棄によって相続人がいなくなる場合はどうでしょうか。
​ この場合、上述の財産管理を続ける必要がずっとあることになってしまいそうです。
​ただ、これではあまりに負担が大きいので、家庭裁判所に対し、相続財産管理人を定め、財産管理及び処分を引き継ぐよう申し立てることができます。
​​ この場合、相続財産管理人が不動産を売却し、売却が不可能だった場合には、国庫に帰属することとなるのです。

​​ ただし、不動産の有無、不動産の規模や数等によって裁判所がケースバイケースで定めることになりますが、数十万~100万円程度の予納金を納める必要があるなど、負担も大きい制度です。

​​ 相続放棄するのか相続するのか、相続放棄だけでなく相続財産管理人の選任まで求めるのか相続放棄で留めておくのか、ケースバイケースですので、まずは一度弁護士までご相談ください。

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