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弁護士コラム Column

自筆証書遺言の方式

2021年03月11日
岡崎事務所  弁護士 安井 孝侑記

相続の中でも遺言のご相談があったときに,弁護士には公正証書遺言の作成をおすすめすることがあります。

この理由のひとつとして,遺言書の全文を直筆で記載する必要があることがありました。

あまりケースとしては多くありませんが,遺産が多数に及ぶ場合にはやはり誤記や書き忘れの可能性は高くなります。

そうした自筆証書遺言の不便さを踏まえて,改正民法では,一部分については全文直筆を必要としない方法が創設されました(民法968条2項)。

具体的には,相続財産の目録について,財産目録の全ての用紙について,署名押印を行えば,自筆にて署名をすることまで必要ありません。

この財産目録はパソコンによって作成したものだけでなく,他人の代筆,不動産登記(全部事項証明書),預貯金の写しであっても,これらを添付することでも有効です。

書類について両面の印刷の場合にはその両方に署名押印が必要となります。

この改正によって,自筆証書遺言を作成することでその労力が格段に減ったかどうかというと疑問はありますが,ただ,誤記などのおそれはかなり減ったものと思います。

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