マラソン大会が日曜日に開催される理由?
2019年04月01日
名古屋丸の内本部事務所 弁護士 柿本 悠貴
名古屋丸の内本部事務所の弁護士柿本です。
先日、当事務所へ向かう途中、桜通で多くのランナーを目撃しました。名古屋ウィメンズマラソン・シティマラソン2019が開催されていたのです。私もしばし足をとめ、沿道から声援を送りました。
こうした市民マラソンの大会は、全国各地で行われていますが、その多くが日曜日に開催されています。平日は、仕事や学校があって参加者が集まりにくいとして、なぜ土曜日ではなく、日曜日なのでしょうか。これには、以下の法的規制が関係しているかもしれません。
マラソン大会では、大勢のランナーが道路を走るため、道路に車が入ってこないよう交通規制をする必要があります。しかし、道路は、本来、交通の用に供されることがその目的です(道路法2条1項参照)。
ランナーが道路を独占的に使用し、交通に著しい影響を及ぼしている状況は、イレギュラーといえます。そこで、マラソン大会で道路を使用する場合には、事前に警察署長の許可を受けなければならないのです(道路交通法77条1項4号参照)。
では、どのような場合に、警察署長の許可はおりるのでしょうか。これについて、平成17年7月5日付けの警察庁交通局の通達を参考にすれば、“交通の妨害となるおそれはあるが、それを上回る公益性がある場合”に許可されるものと考えられます。そうすると、交通への影響は小さければ小さいほど、許可が得られやすいということになります。
そして、この通達では、交通量の少ない日として「日曜日又は祝日」と明記されているのです。
まとめますと、日曜日は、交通量が少ないことから、マラソン大会をしても、交通に与える影響が比較的小さく、警察署長の許可が得られやすい、ということになります。
上記通達の記載が理由で、マラソン大会が日曜日に開催されているとはとても断言できませんが、その一因になっている可能性はあるのではないでしょうか。以上、マラソンに関する法的豆知識でした。