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弁護士コラム Column

弁護士になるまでの道のりとは?

2018年06月01日
名古屋丸の内本部事務所 弁護士 岩田 雅男

皆様,はじめまして。弁護士法人愛知総合法律事務所の弁護士の岩田雅男と申します。
現在は名古屋丸の内本部事務所に所属しております。

 

私は,もともと,名古屋市西区で生まれ,名古屋市内の高校を卒業後,名古屋大学を卒業,名古屋大学法科大学院を修了し,修習地も名古屋を希望した生粋の名古屋人です。家では「~だがん」などの名古屋弁を使って家族と会話をすることもあるほどです。

 

さて,今,「修習地も名古屋」と述べさせていただきました。このブログをお読みになっている方々の中には,「修習地」という言葉を聞いたことが無い方もいらっしゃるかもしれません。今回は,「修習地」という言葉も含めて,弁護士になるまでの道のりを簡単にご説明いたします。

 

我々弁護士は,司法試験に合格してからすぐに弁護士になれるというわけではありません。「司法修習」という研修期間(現在は1年)を経て,弁護士を選択した場合に弁護士になることができるのです。
この「司法修習」は現在概ね2つのパートに分かれております。一つは,埼玉にある司法研修所で全国から修習生が集まって研修を行う「集合修習」です。もう一つは,全国各地の研修先に分かれて,裁判所内,検察庁内,法律事務所内で研修をする「分野別修習」です。
このうち,後者の分野別修習の「全国各地の研修先」のことを,「修習地」と呼ぶのです。
修習地がどこになるかについては,最終的には,司法研修所が決めることになりますが,ある程度希望を出せることができます。
私は,弁護士になった際に,名古屋での勤務を希望していました。そこで,名古屋でどのような事件があるのか知りたいという気持ち半分,居心地のいい名古屋でこのまま生活したいという気持ち半分で,名古屋での修習を希望し,無事名古屋での修習生活を送ることができました。

 

修習の最後の難関は,「二回試験」と呼ばれる試験です。正式名称は「司法修習生考試」ですが,司法試験のあとに控える2回目の試験ということから,「二回試験」と呼ばれるようです。
二回試験は,1科目の試験時間が6時間半,全部で5科目からなる試験です(合計32時間半!)。途中,昼食を食べながら問題を解くことが許されるなど,非常に珍しい試験です。
司法試験の試験時間は合計約20時間です。あまたある国家試験の中で,試験時間の多さをランキングすると,トップ2に二回試験と司法試験がランクインしてしまうのではないかともいわれるほどです。

 

特筆すべきは,二回試験の合格率です。落とすことを目的とするのではなく,法律の専門家を名乗ってもよいかを認める試験ということもあってか,9割5分を超えることも多いです。合格する前提で就職先を決めることもあり,「落ちることが許されない」という独特のプレッシャーが付きまとう試験です。
人生で一番嬉しかった合格発表が司法試験だとすれば,人生で一番ホッとした合格発表が二回試験だというのが,弁護士の一般的な見解なのではないでしょうか。

 

こうして晴れて二回試験に合格すると,弁護士になることができるのです。弁護士になるまでの道のりについてイメージが湧きましたでしょうか。

 

このような長い道のりを経て学んできたことを,相談者・依頼者の皆様のために生かせるよう,さらに日々精進してまいります。これからもよろしくお願い致します。

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