「人」の採用
2014年09月01日
春日井事務所 弁護士 森下 達
今回は「人」の採用について。
企業が活動していくために欠かすことができない「人」。そのため企業にとって採用活動はとても大事なものです。公共職業安定所の利用、求人誌、HP等でうまく「人」を採用できればいいですが、場合によっては、従業員による紹介制度を導入しているところもあるようです。従業員による紹介制度とは、簡単にいえば、従業員に誰か「人」を紹介してもらい、その「人」が採用にいたれば、紹介した従業員に対して金銭を支払うといったものです。
ところで、労働者の募集については、職業安定法が規制していますが、この法律では、会社従業員の直接募集につき、こんなルールがあります。職業安定法第40条「労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第36条第2項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。」です。採用担当の従業員への賃金や報酬について規制し、労働者募集について原則報酬の支払いを禁止し、ただ賃金等であればOKというわけです。
40条違反には罰則もありますので、現在「紹介制度」を導入しているところは、この40条の枠内で実施しているか注意が必要です。一度お手元の就業規則等を確認してみてはいかがでしょうか。