別居から離婚調停までの準備を春日井の弁護士が解説
2021年03月08日
愛知総合法律事務所のホームページをご覧の皆様,春日井事務所の弁護士の池戸友有子です。
前回は離婚公正証書についてのコラムをお届けしました。
今回はお話し合いが難しく,調停に進む場合についてのアドバイスをさせていただきます。
離婚調停に進まれる方の多くは別居をされているかと思います。
もちろん離婚調停は同居していても申し立てることができますが,同じ自宅に家庭裁判所からのお手紙が届くなど少し違和感が生じるかもしれません。
それでは別居してから離婚調停を起こす場合はどのようなことに気を付けたらよいでしょうか。
別居前の財産関係資料の保全
離婚調停や,婚姻費用分担調停(別居中の生活費)では,ご夫婦の財産関係資料が必要になります。双方が包み隠さず開示をすれば何ら問題は生じませんが,必ずしもそうとは限りません。
そこで,別居前に機会があれば,以下のような資料のコピーを取っておくとよいでしょう。
①収入資料(源泉徴収票,所得証明書,給与明細など)
婚姻費用や養育費を決める重要な資料です。
②通帳
財産分与において重要な資料です。少なくとも表紙と直近の残高はコピーが取れるとよいでしょう。
③自動車関連
自動車も財産分与の対象です。車検証のコピーのほか,ローンがある場合,直近の残額がわかる資料があるとよいでしょう。
④不動産関連資料
固定資産税評価証明書やローンの支払予定表などのコピーがあるとよいでしょう。
⑤保険関連
別居時点での解約返戻金相当は財産分与の対象です。保険証書のコピーを取り,保険会社,証券番号だけはわかるようにしておきましょう。
婚姻費用分担調停の申立て
別居後に忘れてはならないのが婚姻費用分担調停です。 婚姻費用(別居後の生活費)は,家庭裁判所に申し立てた月から支払義務が生じることになります。 そのため,離婚調停に先立ってでも婚姻費用分担調停を申し立てることが重要です。
離婚調停の申立て
婚姻費用分担調停を申し立てたら,離婚調停を申し立てましょう。
婚姻費用分担調停と同時に申し立てることができなくても,第1回目の調停期日前に申し立てることができれば,同じ調停期日に調停を進めることができます。
以上が離婚調停までに欠かせないことの概要です。離婚案件は早め早めにご相談いただくことが後々大きな意味を持つことも多々ありますので,離婚が頭をよぎった際は,ぜひお気軽に弁護士にご相談ください。
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