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弁護士コラム Column

被疑者として取調べを受ける場合の対応について

2020年07月21日
名古屋丸の内本部事務所 中村 展(なかむらひらく)

 今回は,被疑者として取調べを受ける場合の対応についてお話ししたいと思います。

 貴方,もしくは貴方の大切な人(ここでは,貴方の場合を考えてみましょう。)が逮捕(送検)されてしまった場合,被疑者という立場で警察官または検察官の取調べを受けることになります。

 このとき,被疑者に認められている権利がいくつかあります。これは知っておいて損はないので,ぜひ心の片隅に置いておいていただければと思います。

 

 まず,何よりも,①被疑者には黙秘権が憲法上保障されています。黙秘権とは,言いたくないことについて喋らなくてもよいというものです。例えば,貴方が逮捕された原因である事実(被疑事実と言います。)が本当のことでない場合は特に,黙秘権行使が有効な手段になりえます。

 というのも,捜査官は貴方の話をもとに調書というものを作成します。この調書は,今後捜査,あるいは裁判と手続が進んでいったときに,犯罪を立証するための証拠になるものです。

 つまり,貴方が、捜査官に対して話したことはすべて,調書に書かれることにより証拠となり得るのです。やっていないなら,正直にやっていないと言った方がいいのではないかと思われるかもしれません。

 しかし,例えば,貴方が当時内心で考えていたことが、犯罪が成立するかどうかにおいて 大きなポイントになっているような場合,捜査官もプロですので,「こういうことならわかっていたんじゃないか。」というような形で誘導し,認めさせることも場合によってはあり得ます。

 そのため,いっそのことすべて黙ってしまうのが,取調べに対しては有効な手段になり得るのです。

 他に認められている権利としては,②作成された調書について内容を確認し,間違っている部分等あれば修正してもらうことができます。また,調書は最終的に被疑者の署名・指印がないと証拠にはならないのですが,③署名・指印に応じないこともできます。

 先ほどお話ししたように,調書は重要な証拠になりますので,署名・指印をするかどうかは慎重に判断する必要があるといえます。

 

 以上,貴方が取調べを受ける場合に認められている権利についてお話ししましたが,具体的にどのように取調べに対応するかは,個別の事案で異なってきます。

 弊所にご相談いただければ,具体的事案等を見て,より具体的なアドバイスが可能となります。刑事でお困りのことがございましたら,ぜひ一度ご相談いただければと思います。

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