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弁護士コラム Column

保釈について

2020年01月16日
名古屋丸の内本部事務所 渡邊 健司

 昨年末には日産自動車の元CEOであったカルロス・ゴーン氏が保釈中に逃亡し,レバノンに入国したことが報道されました。このニュースから,日本の保釈制度について関心を持たれた方も多かったのではないかと思います。

 保釈とは,刑事訴訟法88条以下に定められており,公訴提起された被告人(なお,公訴提起されていない被疑者の段階では,保釈は認められていません。)について,保釈保証金の納付すること等を条件として,身柄拘束から解放する制度です。保釈を請求できるのは,被告人本人,弁護人,被告人の配偶者や両親等で,通常は弁護人が請求を行っています。

 本来,保釈の請求があったときは,刑事訴訟法89条1号から6号に定められた事由がなければ,保釈を認めなければなりません(権利保釈といいます。)。もっとも,同条の4号には「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」と定められており,公訴事実を否認している被告人については,公判で検察官の証明が終わるまでの間,なかなか保釈が認められないことが多いです(否認事件は,自白事件以上に弁護人と綿密に打合せをする必要がありますから,この解釈・運用自体には批判が強いところです。)。

 保釈が認められた場合,裁判所は,保釈保証金を設定します。これは,保釈中に被告人が公判への出廷を拒否したり,逃亡した場合に没収されるもので,被告人から見て,没収されては困ってしまうであろう金額に設定されます。資産家では大変高額になります。
 今回,カルロス・ゴーン氏の保釈保証金は15億円だったそうですが,ゴーン氏は逃亡したため,全額没収されました。資産がない被告人の場合でも,通常150万円程度の保証金は求められています。また,保釈保証金の支払い以外にも,住居の制限や旅行の制限など,裁判所が適当と認める条件が付されるのが通常です。

 保釈は,禁固以上の刑に処する判決(実刑判決)の宣告があった場合には,効力を失いますので,第一審の裁判で実刑判決を受けると,被告人はその場で拘束され,収容されます。その場合,弁護人としては控訴を提起するとともに,再保釈の請求を行うことになります。

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