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弁護士コラム Column

公務員の刑事事件

2017年03月27日
名古屋新瑞橋事務所 弁護士 上禰 幹也

 Aさんは、自動車を運転中、前方不注意によって、歩行者と事故を起こしてしまい、被害者の方は、脳挫傷や高次脳機能障害等、重傷を負ってしまいました。
 Aさんは、この件で起訴されてしまい、弊所弁護士が、弁護人として就任しました。
 ここで、問題となったのは、Aさんは、地方公務員であったことです。地方公務員は、法律上、禁固以上の判決を受けると、たとえ執行猶予判決であったとしても、失職してしまいます(地方公務員法28条4項・16条2号)。
 さらに、地方公務員は、禁固以上の判決を受けて失職したり、退職後に禁固以上の刑に処せられた場合には、退職手当が全部または一部不支給になってしまうのです。

 Aさんは、退職手当を老後の生活資金とする予定であったので、仮に退職手当が支給されないと、老後の生活が不安となるところでした。
 そのため、Aさんが失職して退職手当を受け取れなくなることを避けるために、「罰金刑」の判決を目指す方針となりました。

 そして、Aさんや関係者への協力も得て、できる限りの弁護活動を行った結果、無事にAさんは「罰金刑」の判決を受けて、お仕事を最後まで勤め上げることができ、退職金も満額支給される予定となりました。

 交通事故は誰しも直面する可能性のあることです。
 もし、交通事故をはじめとする刑事事件で起訴され刑事裁判の被告人となっている公務員の方がいらっしゃいましたら、刑事事件以外の影響についても考えるべき必要があります。そうしないと、失職や退職手当の不支給等、思わぬところで不利益を被る可能性があります。
 弊所は、31名の弁護士が在籍しており(平成29年3月段階)、公務員の方の刑事事件への経験が蓄積されております。
 ぜひ、一度ご相談下さい。

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