面会交流の実施と条件について 春日井の弁護士解説
2016年10月07日
夫婦の間に未成年の子がいる場合には、離婚時に、子の親権者を妻か夫のどちらにするか決めなければなりません。
離婚後も、子が父及び母の双方と良い関係を築き、心身共に健やかに成長していけるためには、どのような面会交流が望ましいかをよく考え、条件を定めておくことが大切です。1 面会交流の条件を定める方法
1.協議(夫婦での話合い)、2.調停があり、調停でも意見が合わない場合には、3.審判に移行し、裁判官が条件を決定することになります。
2 審判における判断要素
では、面会交流はどのような観点で定められるのでしょうか。裁判所は、「子の福祉に合致するか」、つまり、子にとって何が望ましいかという観点で判断し、その判断においては、以下のような要素が考慮されます。
(a)子の事情
子の意思(15歳以上であれば子の意見を聞かなければなりません。)、子の年齢(子の年齢が高くなるほど面会による動揺などの影響のおそれが少なくなります。)、面会交流による子への影響が出ないか等が考慮されます。 (b)親権者の事情
面会交流をすることによる子の養育監護への影響が出ないか等が考慮されます。 (c)親権を得ない親の事情
面接交渉をさせない方が良い事情の有無(たとえば暴力や暴言)等が考慮されます。3 面会交流の内容
面会交流の条件は、定型的なものがあるわけではなく、個々のケースに応じて柔軟に定めることが可能です。
月に何度会うのか、夏休みや冬休みなどの長期休暇には宿泊を伴うのか、電話やメールは自由にできるのか、お小遣いは渡して良いのか、子の写真送付などの間接的な交流を認めるのか等につき、子の福祉を第一に考えながら定めていきます。
4 定めた面会交流が実現されない場合
調停または審判で定められた面会交流が実現されない場合には、親権を得なかった親は、再度調停を申し立てる、履行勧告(履行するよう裁判所に注意してもらう)、間接強制(約束を破る度に罰金何円支払うという方法)の方法をとることが考えられます。
なお、履行勧告や間接強制の方法によることができるのは、面会交流の条件を調停または審判で定めた場合に限られます。 子が父母双方の愛情を感じ、安心して信頼関係を築いていけるような面会交流を実現できるよう、きちんと条件を定めておくことが大切です。
面会交流は、離婚の前後を問わず話し合うことができますので、お気軽に弊所までご相談下さい。