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弁護士コラム Column

労災補償の対象はケガだけ?

2020年09月30日
名古屋丸の内本部事務所 社会保険労務士 小木曽 裕子

近所で建物建て替えのための解体工事が始まりました。少し様子を見ていると、外国人労働者を含めた4名程度で、1人はクレーン車の運転、1人は粉塵が飛散しないよう解体物への放水、残りのメンバーはクレーン車が解体した木くず等をトラックへ積み込んでいるようです。
職業柄、労働関係法に絡めて様子を窺ってしまうのですが、この作業員の方たちは労働者か?請負か?労働者であれば安衛法や労災補償の対象となるな・・など。様子を窺っているだけなので、もちろん身分関係は分かりませんが。
建設現場では、高所作業や、重機を用いた作業等の危険と隣り合わせの作業が多く、そのため労災事故が発生しやすくなっています。解体作業においては、重機で崩した瓦礫の下敷きとなり打撲することや、手作業で刃物を用い解体を行い、誤って自身の手を切ってしまうといったケガが考えられますが、このような負傷が労災に該当することは多くの方がご存知かと思います。
では、陽当りの良い現場での作業が長時間に亘ったことにより、熱中症で倒れてしまった場合はどうでしょうか?この場合も、一定要件を満たす場合は、労災補償の対象となります。
ケガと違い、疾病の場合は目に見てはっきりと「仕事が原因で発生した」とは分かり難いため、労災請求をしない人も多いように思いますが、熱中症や腰痛、振動障害等の疾病も一定要件を満たす場合は労災補償の対象となります。
10月となりますが、日中陽当りの良い場所はまだまだ暑さを感じますので、熱中症には十分にお気をつけ下さい。

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