患者の意向とご家族の意向
2018年05月18日
名古屋丸の内本部事務所 弁護士 米山 健太
病院で勤務していると、患者とご家族で意向が分かれており、今後の治療方針を決定できないというご相談がよせられます。(患者は治療を受けたそうにしているが家族が反対する場合もあれば、患者は治療を拒否しているが親族が可能な限りの治療を求める場合もあります)。医療者としては、患者とご家族の板挟みになり、なかなか対応に苦慮することも多いかと思います。このような場合、そもそも何故患者の意向やご家族の意向に配慮する必要があるのか、という根拠に立ち返って検討し、今後の方針を助言しています。患者の意向を尊重する根拠は、患者の自己決定権にあるため、患者が適切に治療方針を選択できるだけの情報提供ができているか、患者がどのような気持ちで方針決定したのかを聴取し、患者の真意を探る必要があります。一方、ご家族の意向に配慮する根拠は色々考えられますが、重要なのは「ご家族であれば、患者の利益を考えてくれるはず」という前提だと考えます。そのため、ご家族の意向が患者の利益にならないと考えられる場合は、粘り強くご家族を説得することもありますし、事態が膠着した場合は高齢者虐待防止法・児童虐待防止法などを活用していく場合もあります。「患者やご家族に十分な説明する」というだけでなく、誰に、いつ、何を、どうやってお話しするのか、具体的な助言をさせていただきます。当事務所は東海三県を中心に様々なご相談に対応しております。お気軽にご連絡ください。