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弁護士コラム Column

【コラム】遺言の種類

2020年08月27日
岡崎事務所 弁護士 田中 隼輝

 一口に遺言と言っても…遺言には3種類の方法があります。
 具体的には,自筆証書遺言,公正証書遺言,秘密証書遺言の3つになります。
 このうち,秘密証書遺言はあまり用いられないので,それ以外の自筆証書遺言と公正証書遺言につき,ご紹介いたします。

 まず,自筆証書遺言とは,自分で用意した紙に内容を書き記すだけの遺言書ですので,基本的に費用もかかりません。
 しかし,自筆証書遺言には有効に成立するための方式が法律で決められているので,この要件を満たさない場合には,それだけで無効になってしまうおそれがあります。

 また,自筆証書遺言は,多くの場合作成者が作成後手元で保管することになりますので,第三者がこれを改ざんするおそれがあるというリスクもあります。

 もっとも,これらの点に関しては,令和2年7月から法務局における自筆証書遺言の保管制度が新たに創設されています。
 この制度は,その名のとおり,自身が作成した自筆証書を法務局で保管してもらうという制度です。
 この場合,改ざんのおそれは当然ありませんし,法務局にて方式を満たすかどうかの外形的な確認もすることになりますので,上記のデメリットを解消することができます(他にも検認が不要とのメリットもあります。)。

 しかし,この制度を利用したとしても,遺言の記載内容(たとえば矛盾した内容等がないか)まで法務局が審査するわけではありませんので,内容の有効性までは保証されません。

 そこで,次にご紹介するのが,公正証書遺言という方法です。
 公正証書遺言というのは,公証役場にいる公証人のもとで作成する遺言書になります。
 この場合は,公証人が公正証書として遺言を作成することになるので,方式においても記載内容の点においても問題が生じることは基本的に起こり得ません。

 遺言の作成にあたっては,それぞれの方法の特徴を理解する必要があります。
上記のいずれの方法によるべきか不安な場合は,ぜひ弁護士に相談してみてください。

岡崎事務所 弁護士 田中隼輝

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