当法律事務所では、初回無料の法律相談を実施しております。弁護士に相談をするという事に不安を感じている方や、これぐらいの悩みを相談していいのだろうか、というお気持ちを持たれる方など様々なご事情の方がいらっしゃいます。そこで無料相談でお話を伺い、相談者様が安心して頂けるよう、ベストな選択を一緒に考えております。
また弁護士に早めにご相談いただく事で、問題が整理され解決策が見いだせたり、実際に弁護士と話しをする事で雰囲気や相性など確かめて頂けるかと思います。まずはお気軽にご相談ください。
お知らせ
- 24.11.28重要
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【12月1日より】愛知総合法律事務所 電話番号変更のお知らせ
- 25.04.22休業案内
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ゴールデンウィーク休業のお知らせ
- 25.02.03ご案内
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豊橋事務所オープンのお知らせ
- 25.02.01ご案内
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異動のお知らせ( 坪内みなみ 弁護士)
- 25.01.27ご案内
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78期司法修習生対象 WEB説明会のお知らせ
- 25.01.06ご案内
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事務所報<ルネサンス>No61(2025年1月)を公開いたしました
初回無料の相談
面談、オンライン、電話による法律相談を実施しています。
どの相談方式でも初回のご相談は無料です。
面談、オンライン、電話による
法律相談を実施しています。
どの相談方式でも初回のご相談は無料です。
- ※ご相談内容によっては法律相談に応じられないことがありますので、予めご了承ください。
- ※面談でのご相談の場合、初回(30分程度)無料です。
- ※ご相談前にお聞きします個人情報は、相談受付のために必要な聞き取りになります。
個人情報の取り扱いについては、プライバシーポリシーをご覧ください。
選ばれる理由

専門部が充実
名古屋丸の内事務所では、事件の種類ごとに分かれた【離婚部】【相続部】【破産・管財部】【医療法務部】【労働部】があり、専門のチームが事件解決に向け動いています。

初回の相談料は無料
少しでも気軽にご利用いただけるよう、お電話や面談、オンラインによる無料法律相談を実施しております。丸の内本部事務所では、土日の法律相談も承っております。

ワンストップ体制
名古屋丸の内本部事務所では、弁護士の他に、税理士、司法書士、社会保険労務士が複数在籍しており、弁護士と共同で事件解決に向け活躍しております。
法律事務所をお探しの方へ
愛知総合法律事務所は、中部・東海圏でも最大規模の法律事務所として弁護士が多数在籍しております。(男性弁護士・女性弁護士ともに在籍)。法律事務所といえば、弁護士1名~数名の個人事務所というイメージを持たれる方も多いと思いますが、弁護士が多数在籍している事は、ご相談者様にとって大きなメリットがあります。
当事務所は2024年は年間で10000件以上のお問合せをいただきました。(2024年1月~12月、全事務所のお問合せ数合計)
ご相談内容は1人1人、状況や思いも違っており、まったく同じお悩みはありません。弁護士1人1人がご相談に真摯に向き合い、得たノウハウを事務所全体で共有することにより、事件解決の道筋を立てる精度や専門性を高め、安定したリーガルサービスの提供に努めております。
また、当事務所には弁護士数に応じ、事務スタッフも多く在籍しております。これによって、複数人体制や事件分野ごとに専門チームが組織出来るという点は、大きい事務所の強みであり、質の高いリーガルサービスに繋がっているというメリットでもあると思います。
弁護士を探される上で、事務所の規模や場所を参考にされる方もいらっしゃると思います。当事務所は名古屋市内に3つの事務所がございますので、ご利用しやすい事務所にてご相談いただくことが可能です。
新瑞橋事務所(瑞穂区)

名古屋新瑞橋事務所は、地下鉄新瑞橋駅より徒歩すぐに立地しております。瑞穂区、南区、緑区、熱田区、港区、昭和区、天白区をはじめとした近隣の方々にお気軽にご相談頂ければと思います。
藤が丘事務所(名東区)

名古屋藤が丘事務所は、地下鉄東山線・リニモ「藤が丘駅」徒歩1分の場所に立地しており、名古屋市名東区、守山区、長久手市、尾張旭市、瀬戸市方面から交通機関を利用してもアクセスしやすい場所にあります。
法律相談について
人生の中で法律事務所に相談をするという事は、あまりない事と思います。ネットなどで名古屋の弁護士と探しても、実際にどのように相談したらいいのか、
何を話したらいいのか、不安になる事もあると思います。当法律事務所の弁護士へ相談される際の流れについて、ご説明いたします。
1 お電話・メールフォームにてお問合せください
初めて法律相談をされる方は、お電話でのお問合せがおすすめです。 こちらでは、ご予約をおとりするために、事務員が対応いたします。 お電話をいただいた方の氏名・ご住所・お電話番号、相手方の氏名等必要情報の聞き取り、ご相談内容の要旨を確認し、ご予約をお取りいたします。 まずは、050-1780-5321までお電話ください。メールフォームでのお申込みをご希望される方は、こちらからお問合せください。
2 無料相談の方法
当法律事務所ではご相談者様の状況に応じた3つの無料相談(面談相談・電話相談・オンライン相談)があります。弁護士への法律相談が初めての方は面談による相談がおすすめです。詳細はこちら
3 弁護士への無料相談
法律相談の際には、ご相談内容に関連する資料(証拠)などのご準備がありますと、弁護士としてもその後の見通しをたてやすくスムーズになります。 ご相談者様の抱える問題について、不安な事やわからない事、弁護士費用なども、遠慮なくご質問ください。 また、無料相談はその後必ず依頼しなければならないものではありませんのでご安心ください。
どこまでが無料相談の範囲か
無料相談は、初回30分程度を無料としております。ただし、離婚・相続の面談相談は初回60分無料です。お受けできる内容の範囲は、相談方法によって異なるためこちらからご確認をお願いいたします。
土日・夜間の無料相談
名古屋丸の内本部事務所では、平日の日中お忙しい方に向けて土日・夜間の法律相談を実施しています。 ご希望の方は、まずはお電話いただき、受付の案内に沿ってご予約を頂ければと思います。 法律問題でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。
ご依頼の場合の弁護士費用について
正式にご依頼頂く場合の弁護士費用に関しては、具体的な内容によって変わりますので、詳しくはこちらをご参照ください。 また初回無料の相談の際には弁護士から費用についてもご説明しますので、ご不安に思う事や気になることなど遠慮なくご質問頂ければ幸いです。
弁護士に相談するタイミングについて
弁護士にいつ相談するのがよいか、というと「早ければ早いほど」良いという事となります。法律相談において、とにかく早く相談するほど、メリットが多いためです。
早く相談するメリット
法律相談において、早くご相談頂くことによって、弁護士側からご提案できる選択肢が増え結果的にトラブルが解決しやすい傾向にあります。 例えば、時間が経過すると証拠が失われたり、記憶が曖昧になる事があります。また、時効、借金問題、家庭内のDVなどの問題は時間が経つほど問題が悪化する傾向にあります。 そのため早めに弁護士までご相談頂く事でトラブル解決へと導きやすくなります。
安心感を提供できる早くご相談頂く事で、当然対処方法も早く知る事ができます。例えば、離婚や遺産相続など感情的な衝突が多い問題の場合、弁護士が間に入るだけでも味方が出来て安心して頂ける事もあると思います。 一人で抱えていた悩みから解放されて、精神的に安心できるというのは大きなメリットではないかと思います。
早めの相談は、慰謝料請求されたとか弁護士や裁判所から通知が来た場合などの緊急性があるケースだけでなく、特に深刻ではないと思われる問題でも 弁護士が判断すると早く手を打つ必要のある問題という事があります。病気の早期発見のようなイメージです。
そのためにも、是非初回無料の法律相談をご利用ください。 「こんな相談していいのかな」と思われるようなご相談でも大丈夫です。 深刻な問題でなくとも、将来を見据えて弁護士が予防策や回避策などの提案をする事ができますので、漠然とした不安から解放されてご安心頂けると思います。 まずは初回無料の法律相談までお問合せください。
法律相談は愛知総合法律事務所
弁護士法人愛知総合法律事務所は、40年以上にわたり愛知県名古屋市を中心に活動し、現在中部・東海圏で最大規模の法律事務所として多数の弁護士が在籍しています。
また、税理士、司法書士、社会保険労務士も在籍しているため、様々な法律問題をワンストップで対応する事が可能です。
「大きい事務所だから敷居が高い」「こんな事を相談して良いのだろうか」と感じられるかもしれませんが、心配はご無用です。
私たちは街の法律専門家として、親身になって問題解決に向けて一緒に取り組みます。
病気になった時に病院に行かれるように、法律問題で困った時は弁護士にご相談下さい。
総合法律事務所として
当事務所は、総合法律事務所として幅広い分野の法律問題に対応しております。 離婚問題や相続問題、交通事故、借金問題などの民事と呼ばれる分野だけでなく、 刑事事件の弁護活動、法人向けの企業法務や会社設立、法人トラブルに関わる事など多岐にわたる法律分野をカバーしております。
また、弁護士だけでなく、法律事務もスキルアップに力を入れ、法律セミナーを受講するなど日々研鑽を積んでおります。 敷居は低く、専門性の高いリーガルサービスをご提供しますので、安心して頂ければと思います。 名古屋で弁護士をお探しの方は、愛知総合法律事務所まで是非ご相談ください。
名古屋で多くの方に選ばれ続けている、弁護士法人愛知総合法律事務所が全力でサポートをして、最善を尽くします。
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就業規則の賃金規程例と変更の際の注意点を解説
就業規則における賃金規程とは 企業が従業員を雇用する上で重要となるのが「就業規則」です。とりわけ従業員の関心が高いのが「賃金規程」ではないでしょうか。本記事では、賃金規程の概要と作成・変更のポイントをご紹介します。給与規程と賃金規程の違い 賃金規程とは、従業員の給与や手当など、企業が支払う賃金の内容や計算方法を定めた規程のことです。就業規則の一部に盛り込まれているケースや「給与規程」という名称で別に定める企業もあります。 なお一般的に「賃金規程」と「給与規程」はほぼ同義で使われ、呼び名によって法的差異があるわけではなく、重要なのは労働基準法などの関連法規に沿って、必要な事項を明確に定めているかという点です。賃金規程の作成に必要な事項 賃金規程を作成する際には、以下の項目を明確にしておくことが求められます。1. 賃金の決定 ・基本給や各種手当の決定基準、給与テーブルなどを明確にする2. 賃金の計算および支払いの方法 ・時間外労働や休日労働に対する割増賃金の計算方法 ・現金による直接払いか金融機関への振り込みか3. 賃金の締切り及び支払の時期、昇給に関する事項 ・支払いの期日(毎月〇日締、○日払い)のルールはどのようなルールか ・昇給はいつ、どのような方法で行うか4. その他支払いに関するルール ・賞与や退職金、通勤手当・住宅手当など各種手当について賃金規程は、従業員に直接影響する重要な規定です。漏れがないように、労働基準法や関連法規に基づいた記載が必要です。 給与計算で残業代を計算する際「残業の単価をどのように求めたらよいか分からない。」「遅刻や早退をした場合の控除の計算はどのようにしたらいいの?」といったお問合せを受けることがあります。この点、たとえ賃金規程に計算方法の記載がなくても、残業代の単価の求め方は労働基準法施行規則第19条第1項に明示されているのですが、法律に不慣れな方が条文の内容を確認するのは容易ではありません。一方、遅刻や早退をした場合の控除方法は法律に定めがないものの、そうであるからこそ、どのように計算したらよいか戸惑うことが多いのではないでしょうか。 毎月異なる給与計算方法では、従業員の不信感を招く恐れがあります。そこで法律を理解し、日頃から給与計算に精通している社会保険労務士と共に、実務において役立つ規程になるようしっかり賃金規程の整備を行いましょう。賃金規程の記載例 賃金規程を就業規則に盛り込む際には、以下のような形式で記載します。第〇節 総則 第○条(賃金の決定・計算方法) 1.賃金の計算期間は毎月1日~末日までとする 2.賃金は毎月末日を締切りとし、翌月〇日に支払う。支払日が休にあたる場合は支給日を変更することがある。 第〇節 基本給 第〇条(基本給) 案1)職務等級および勤務年数に応じて次の表に従い決定する。 案2)年齢、経験、能力、職務の困難度・責任の程度、勤務成績、勤務態度等を考慮して各人ごとに決定する。 第〇節 各種手当 第〇条(役職手当) 役職手当は次の通り毎月支給する。 部長:○○〇〇円 課長:○○〇〇円 係長:〇〇〇〇円 第〇条(通勤手当) 1ヶ月の通勤定期券代を上限に実費を支給する。 第〇条(時間外勤務手当) 時間外労働、休日労働、深夜労働に対する割増賃金は、労働基準法の定める率により算出する。 【明確化のポイント】 ・基本給の計算方法 具体的な賃金テーブルがあればそれを明示する ・割増賃金の計算方法 時間外労働(残業)や休日労働、深夜労働など、それぞれ労働基準法で定める割増率(25%、35%、25%など)を乗じて算出する旨を記載する ・手当の計算方法 通勤手当は距離や交通手段による一定額、役職手当は役職に応じた固定額など、支給基準を明確化することが重要なお、基本給の項目に「基本給は個別の契約で定める。」のような記載がされている規定を見かけますが、賃金規程に定めるべき事項は「賃金の決定方法」に関する事項ですので、「個別の契約で定める」の記載では不十分と言えます。また欠勤や遅刻早退をした際に給与を減額支給したい場合には、どのような計算方法で減額するか、端数処理はどうするか、などについても明確にしておきましょう。別に定める場合の記載例 賃金規程に関連するものとして、賞与や退職金について賞与規程や退職金規程などを別途定める企業もあります。これらは「相対的必要記載事項」の項目とされ、企業で設ける場合にはそのルール(支給対象者、支給時期、支給方法、支給対象期間や支給要件等)を規則規程等で明示しなければならないとされています。賃金規程変更時の注意点 先に記載の通り、賃金規程を変更する場合、従業員に「不利益」となる内容が含まれるときは特に注意が必要です。労働契約法によると、就業規則の内容を不利益に変更する場合は、変更について合理性が求められますので(従業員が受ける不利益の程度、変更の必要性や内容の相当性、労働組合等との交渉状況、その他の事情等に合理性があるか)、従業員等と十分に協議し、納得を得るよう努めましょう。また企業の経営状況等やむを得ない理由による変更であっても、変更を正当化ができる理由があるかどうか、明確に示さなければなりません。確認すべき関連する法律 • 労働基準法 賃金の最低基準や割増率などが定められています。• 最低賃金法 地域別最低賃金を下回らない金額設定が必要です。• 労働契約法 労働契約の締結、変更、解雇および雇止めに関するルール等が定められています。• 男女雇用機会均等法・パートタイム・有期雇用労働法 従業員の雇用形態による不合理な格差を生じさせないように配慮が必要です。賃金規程変更に必要な手続き 賃金規程変更時語は、以下の手続きを踏むのが一般的です。1. 変更案の作成 変更内容を具体的な条文としてまとめる。2. 従業員への説明・意見聴取 従業員代表や従業員に対して説明会を実施し、従業員代表から意見を聴取する。必要な書類と記載事項 • 改訂後の賃金規程 新旧対照表等を作成し、どの部分がどのように変更されたかを明確にします。• 説明資料 従業員向けの説明会に使用する資料や、FAQなどを整備すると円滑に進めやすく なります。• 同意書・承諾書(必要に応じて) 不利益変更を伴う場合は、従業員の個別同意が必要となるケースもあるため、同意書等の書面を用意しておくのが良いでしょう。従業員代表意見書の提出 就業規則や賃金規程を変更する際には、労働基準法に基づき、従業員代表の意見を聴取した書面(意見書)を添付する必要があります。ただし、意見書はあくまで「意見」の提出であり、同意を得る義務が必ずしも発生するわけではありません。しかし、不利益変更の場合は実質的な同意の有無がのちに争点となることが多く、慎重に対応する必要があります。なお、意見徴収する際『どのような人にお願いをしたらよいですか?』との質問を受けることがあります。法律上は「労働組合や労働者の過半数代表者に意見を聴くこと」と記載されているのみで、実際はどうしたらよいか分からない方も多いようです。 この点、行政通達においては①管理監督者ではないこと ②使用者の意向によって選出された者ではないこと 以上2点のいずれも満たすものでなければならないとされています。特に注意すべきは②ではないでしょうか。お願いしやすい従業員に、ついお願いしてしまいたくなりますが、それでは法が求める意見聴取の要件を満たしていないことになりますので、ご注意下さい。労基署への届け出 常時10人以上の従業員を使用する事業場では、就業規則や賃金規程を作成・変更した場合に、労働基準監督署へ届け出る義務があります。届出を怠ると、行政指導や罰則の対象となる可能性がありますので注意しましょう。賃金規程の従業員への周知義務 就業規則や賃金規程は従業員にとって労働条件を確認するうえで不可欠なものです。労働基準法にもとづき、「常時各作業場の見やすい場所へ掲示する」または「社内ネットワークで閲覧可能にする」など、従業員がいつでも閲覧できる状態にする必要があります。周知義務を怠った場合も、行政指導や罰則の対象となる可能性があります。賃金規程と実態があっていない場合のリスク 就業規則や賃金規程等と、実態が異なる場合、以下のようなリスクが考えられます。1. 未払い賃金等の請求 各種手当や割増賃金が規定どおり支払われていないと、後に従業員から請求される可能性があります。2. 行政による是正勧告や罰則 労働基準監督署の調査で違反が発覚した場合、是正勧告や罰則が科されることがあります。3. 労使トラブルや信用失墜 就業規則との不一致は従業員の不信感を招き、その結果トラブルの増加や離職の増加につながるおそれがあります。労務トラブルを未然に防ぐためにも、就業規則・賃金規程は定期的に見直し、最新の法令や社内実態に即した運用を行うことが重要です。社労士に依頼するメリット 賃金規程は、企業、従業員双方にとって大変重要な規定です。企業規模や業種・職種によって適切な内容は異なりますが、法律を遵守しながら、実態に合った形で定めることが求められます。特に変更時には従業員と十分な協議を行い、合理性と合意を得たうえで進めましょう。社会保険労務士などの専門家に相談することで、よりスムーズな運用とリスク回避が期待できます。 なお当事務所には企業の問題を未然に防ぐお手伝いをする社会保険労務士、問題が発生した場合にその解決を行う弁護士の双方が所属していますので、双方の視点に配慮した賃金規程の作成を行うことが可能です。貴社の就業規則や賃金規程の作成・変更でお困りの際は、ぜひ愛知総合法律事務所の社会保険労務士へご相談ください。
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就業規則「解雇事由」の記載例を社労士が解説
就業規則に規定できる解雇とは 就業規則では解雇に関する事項は絶対的必要記載事項であり必ず記載が必要です。解雇には大きく普通解雇、懲戒解雇、整理解雇があり、就業規則にはそれぞれの解雇に該当するのはどのような場合かを規定します。法律上解雇が禁止されている事由 解雇には法律上禁止されているものがあります。具体的には以下の例が挙げられます。 ・労災による疾病や療養のために休業する期間及びその後30日間の解雇 ・女性従業員の婚姻、妊娠、出産、産前産後休業等を理由とする解雇 ・従業員の国籍、信条又は社会的身分等を理由とする解雇 ・従業員が育児休業、介護休業等を取得したことを理由とする解雇 ・従業員が会社の各種法令違反を社内外に告発したことを理由とする解雇 解雇・退職・辞職の違い 従業員が職場を辞める理由は解雇・退職・辞職のいずれかであると思います。それぞれどのような意味合いをもつか解説します。解雇とは従業員が起こした問題行為を理由として会社側が一方的に労働契約を打ち切る処分のことをいいます。 退職とは従業員が自らの申出によって労働契約を終了させることをいいます。辞職とは退職と混同されてしまいがちですが、自らの意思で会社を辞めるという意味においては同じであるものの、一般の従業員ではなく主に役員が会社を辞める際に用いられます。 ここからは解雇の内容について詳しく解説します。普通解雇とは 普通解雇とは懲戒解雇や整理解雇以外の解雇のことで、いわゆる従業員の職務怠慢や能力不足、病気やケガによる就業不能などを理由とする解雇のことを指します。 就業規則には普通解雇に該当する事由を明記します。しかし就業規則に定める解雇事由に該当したとしても、必ずしも解雇が認められるとは限りません。行われた解雇が有効か否かを判断するには、解雇に至る経緯や状況など様々な点を確認し、その解雇に客観的に合理的な理由があるか、社会通念に照らしても相当な判断(必要性)であったかどうかが問われます。(労契法第16条)解雇までの流れや理由 普通解雇を行う際は以下のような流れで行います。① 解雇に至る経緯の確認(本人からの聴取含む)今回の解雇をどのように進めてゆくか、ある程度の方針を固めた上で、対象従業員および関係者から事情聴取します。② 解雇事由(理由)の検討上記①を踏まえ、従業員の行為が就業規則に定める解雇事由相当かを検討します。 この時、例えば勤怠不良や本人の能力の欠如が問題とされている場合は、その事実のみならず、これまでの指導歴や今後もその状況が継続する可能性があるかどうか、本人の情状および同様のケースにおける他の従業員に対する処分との均衡など、様々な事情を総合的かつ冷静に判断することが必要です。③ 対象者へ解雇予告検討の結果、解雇相当と判断した場合は、就業規則に定める解雇の手続きに沿って対応を進めます。多くの会社が法令に従い「30日前の解雇予告もしくは解雇予告手当の支払を行う」と定めていると思います。 解雇予告は口頭でも有効ですが、トラブル防止のために書面を作成し本人へ渡すのが安心です。 なお書面に記載する解雇理由は就業規則の記載内容と紐づくような記載を行いましょう。普通解雇について記載例 解雇予告年月日:令和〇年〇月〇日 解雇年月日 :令和〇年〇月〇日 解雇事由 :・・・・・・・・・・・・・・・・ 解雇理由 :就業規則第〇条に定める「勤務成績や能力が著しく不良で、 業務に適さないと認めたとき」に該当するため。病気による解雇・休職期間中の解雇について 多くの会社では私傷病により休職し、休職期間満了日までに復職できない場合は「休職期間満了日をもって自然退職」もしくは「休職期間満了日をもって解雇」などと就業規則に定められているのではないでしょうか(自然退職の場合、実務上は自己都合退職として処理されるのが一般的)。対象の従業員がでた場合は、自社の就業規則がどのような定めをしているか、あるいは何も定めていないかを確認の上、規則に沿った対応を行いましょう。なお会社は休職期間満了まで、定期的に従業員のけがや病気の状況を把握するよう努め、本格的な復帰の前には「リハビリ出勤」を試みるなど、従業員の不安解消や復帰しやすい環境作りを行うことも従業員の早期復帰に効果的です。ただ就業規則に定めがあり、規則通りの対応をしていても、当該退職や解雇について後に従業員から「不当な取り扱いだ」として、裁判等の大きな問題にまで発展する場合もあります。この様なリスクを回避するためにも、就業規則に定めた休職手順や休職期間は適切か(例えば、休職期間が不当に短すぎることはないか、復帰の判断は適切であったか、休職満了時に従前業務はできないものの、他の業務は行えるということはないか、障害の特性に配慮したか等)適宜見直しを行いましょう。 懲戒解雇とは 懲戒解雇は懲戒処分の中で最も重たい処分であり、会社の秩序を大きく乱す違反や自身の重大な非行に対する“制裁”として行われる解雇の一つです。会社規定にもよりますが、懲戒処分は退職金等が支払われないケースが多く、支払われたとしても大きく減額されるなど従業員にとって大変厳しい処分と考えられます。先に記載の通り、解雇が有効と認められるためには客観的合理性と社会通念上の相当性が必要ですが、懲戒解雇の場合も同様です(労契法第15条・16条)。懲戒解雇が有効となるために具体的には以下のイ~二の要件を満たす必要があることから、懲戒解雇を行うには就業規則への懲戒事由の規定は必須であると言えます。イ) 懲戒事由や懲戒の種類が明記された就業規則があり、周知されていること ロ) 就業規則に定めた規定が合理的な内容であること ハ) 処分されるべき行為が就業規則に定める懲戒事由に該当すること ニ) その他の要件 主な懲戒解雇事由と記載例 懲戒解雇と認められる主な事由には以下が挙げられます。 ・重大な業務命令違反 ・業務上横領 ・業務上知り得た機密事項の漏洩 ・他の従業員に対する暴行 ・強迫 ・名誉毀損 ・会社の名誉や信用を著しく毀損し、会社に損害を与えたとき ・長期間にわたる無断欠席 など 上記を就業規則に明記する場合の規定例は以下の通りです。懲戒処分の種類(懲戒解雇であること)、合理的な懲戒事由を明記しましょう。【規定例】 第〇条(懲戒解雇事由) 従業員が次のいずれか一つに該当する場合は、懲戒解雇に処する。ただし情状によっては、諭旨解雇、減給および降格にとどめることがある。 ① 正当な理由なく、しばしば業務上の指示・命令等に従わないとき ② 他の従業員の就業環境を著しく害するようなハラスメント行為・強迫・名誉棄損を行ったとき ③ 業務上知り得た会社の重要な情報を漏洩し、会社に損害を与えたとき ④ 正当な理由なく無断欠勤が〇日以上に及び、出勤に応じないとき : ⑩ その他全各号に準ずる行為が認められたとき懲戒解雇事由と諭旨解雇の違い 諭旨解雇は従業員が懲戒解雇に相当する違反をした場合に、会社が従業員に退職を勧告し、退職届の提出を促した上で解雇するもので、懲戒解雇に次ぐ重たい懲戒処分です。 懲戒解雇に相当するような事案であっても、従業員に情状酌量の余地がある場合や本人が深く反省している場合には諭旨解雇となる傾向がみられます。 また退職金の支給がほとんどされない懲戒解雇と違い、諭旨解雇の場合は退職金が支給されることが多い印象です。(個々の会社の就業規則により異なります。)整理解雇とは 整理解雇は会社が人員削減を目的として行う解雇で、主に経営不振や業績悪化が原因とされます。整理解雇も解雇の一つですが従業員に落ち度はなく、会社側の事情による解雇であるという点で、普通解雇や懲戒解雇と異なります。 昨今、新型コロナウイルスの影響により整理解雇を迫られる会社も多くあると思います。しかしたとえ経営不振が理由であったとしても、会社は従業員を簡単に解雇できるわけではなく、他の解雇同様その整理解雇の客観的合理性や社会通念上の相当性が問われます。 なお整理解雇が有効となるために具体的には以下イ~二の要件を満たすことが必要です。就業規則への規定は必須でないものの、例えば解雇回避のために他社への出向や転籍を行う場合には、その根拠が就業規則に定められているのが望ましいでしょう。イ) 人員削除の必要性があること ロ) 解雇を回避努力や経費削減等を講じたこと ハ) 解雇対象者の選定に合理性があること ニ) 解雇対象者や労働組合に十分な説明を行い、誠実に協議を行ったこと 整理解雇事由の記載例 整理解雇について就業規則に定める場合は(普通)解雇事由の条項に以下のような文言を記載しておくのがよいでしょう。【規定例】 ・会社はやむを得ない事業上の都合により従業員を解雇することがある ・会社は事業の縮小などにより、人員の整理による解雇を行う場合がある など 第〇条(出向) 会社は、業務上の必要性がある場合、関係会社や他社への出向を命ずる場合がある。なお従業員は正当な理由がない限りこの命令を拒むことはできない。 解雇予告とは 従業員を解雇する際は、法律上対象者に事前予告しなければなりません。この予告は解雇の少なくとも30日前までに行う必要があります。(労基法第20条、第119条)なお解雇日までに30日以上の日数がない場合は、解雇予告をした上で30日に不足する分の解雇予告手当を支払わなければならず、また即日解雇を行いたい場合は30日分の解雇予告手当を支払う必要があります。解雇予告は取扱いが複雑なため、これら法律のルールを就業規則に明記している会社が多い印象です。解雇予告手当の計算方法 解雇予告手当の額は平均賃金に30日分、もしくは予告期間が30日に満たない場合はその日数分を乗じた額となります。なお平均賃金とは「算定すべき事由の発生日(解雇日)以前3ヵ月に対象者に支払われた賃金の総額」を「その期間の総日数(暦日数)」で除した金額をいいます。臨時に支払われる賃金や3ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)は含まれません。また賃金締切日がある場合は、その起算日は直前の賃金締切日を用いること、賃金が時間額や日額、出来高払の場合は、最低保障額があることなど、その他にも細かいルールがあります。計算を行う際は事前に専門家である社労士に相談するのがお勧めです。就業規則がない場合の解雇はどうなる? 就業規則を作成していなければ「懲戒解雇」を行うことができません。 懲戒解雇を行うには就業規則に予め具体的な懲戒解雇事由を定めた上で、その就業規則の周知が必要と考えられているからです。 懲戒解雇をはじめとする懲戒処分は、社内の規律維持にとても重要な役割を担います。従業員の問題行為に処分を下せなければ社内秩序が乱れ、従業員間のトラブルが増加する、会社が従業員を制御することが難しくなるなど、様々な問題が発生するリスクがあります。 一方、就業規則に記載があれば従業員の非違行為への抑止力になり、実際に懲戒解雇を行う場面では、明確な懲戒解雇の根拠を示すことが可能になる等の効果が期待できます。もっとも懲戒解雇事由は労働基準法に定める就業規則の絶対的必要記載事項の一つですので、必ずその根拠事由の記載が必要です。就業規則作成を社労士に依頼するメリット 解雇を行うには就業規則への解雇事由の記載が不可欠です。しかしいつ起こるとも知れない解雇に備え予め就業規則を整備することは容易ではありません。そこで就業規則の作成にお悩みの際は、社会保険労務士へご相談頂くのがお勧めです。 また 愛知総合法律事務所には社会保険労務士だけでなく、弁護士、司法書士、税理士も在籍しており、解雇のみならず今後発生が見込まれるトラブルを想定した上でのご提案が可能です。まずはお気軽にご相談ください。就業規則作成・変更に関して無料でご相談を受けております。詳しくはこちら。
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育児休業に関する就業規則の記載例を社労士が解説
就業規則における育児休業の規定方法 そもそも育児休業について就業規則に記載する必要があるのか疑問に持たれる方もいると思いますが、結論から申し上げますと育児休業は就業規則に記載する必要があります。まず就業規則には必ず記載しないといけない事項(絶対的必要記載事項)が労働基準法で以下のように定められております。絶対的必要記載事項とは (1)始業と終業の時刻、休憩時間、休暇、交代勤務の場合の転換に関する事項 (2)賃金の決定、計算と支払方法、締め支払いの時期、昇給に関する事項 (3)退職(解雇事由)に関する事項育児休業は休暇と同視されることや、休業中の賃金計算方法を決める必要があることから上記(1) の休暇や(2)賃金規定に該当し、就業規則への記載が必要となります。育児休業の記載内容について 記載内容については、育児・介護休業法に定められている通りでよい場合は「育児・介護休業法の定めるとおりとする」とすれば法律上の問題はありません。ただし法律上で明確な定めがされていない事項もあります。例えば、休業中の賃金の取り扱いについては有休か無給にするのかを含めて、各企業において決定する必要があります。そして、その決定された賃金の取り扱い方法について、就業規則や賃金規程に記載する必要があります。また、法律上では、努力義務となっている事項や、詳細なルールが定められていない事項があります。その場合「法律の定めによる」との規定だけでは、トラブルとなることや、どう判断したらいいか分からないという事態が予想されますので、できる限り自社の働き方に合わせて詳細に規定していくことをおすすめします。当事務所では、就業規則の作成・変更に関する無料ご相談を受付ております。全国対応しておりますので、こちらからお気軽にご相談ください。育児休業取得のための要件と期間 育児休業は、原則として1歳に満たない子を養育している場合に取得することが可能です。保育所に入所できない等の一定条件を満たす場合は1歳6ヵ月(再延長で2歳)まで延長することができます。なお、女性だけでなく男性も取得可能です。 また法改正により緩和が進められ、令和4年4月1日からは有期雇用の方についても、入社1年未満で取得することが可能となりました。育児休暇の取得対象から除外されるケース ・日雇いの方 ・有期雇用であり、子が1歳6カ月に達する日までに、契約期間が満了し、更新されないことが明らかな方 ・労使協定で除外された一定の方 入社1年未満の労働者を育児休業の対象から除外する労使協定を締結している場合、会社は育児休業の取得を拒むことができ、この除外要件は無期雇用の方も対象とすることが可能です。また、育児休業取得申出の日から1年以内に雇用契約が終了することの明らかな方や、1週間の所定労働日数が2日以下の方も労使協定により除外対象とすることができます。育児休業の就業規則記載例 <有期雇用労働者および労使協定事項該当者を育児休業対象者から除外する場合>第〇条1 育児のために休業をすることを希望する従業員であって、1歳に満たない子どもを養育するものは、この規則に従い育児休業を取得することができる。ただし有期雇用従業員については、申し出た時点で子が1歳6ヵ月に達する日までに労働契約が終了し、更新されないことが明らかでない場合は育児休業を取得することができる。2 労使協定により除外された次の従業員からの休業を拒むことができる。 一 入社1年未満の従業員二 申し出た日から1年以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員三 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員子の看護休暇とは 子の看護休暇とは、小学校入学前の子どもが病気やケガをした場合や、病気の予防(予防接種や健康診断)のために看護が必要となる場合に、子ども1人につき年間5日(2人以上の場合最大10日)の休暇を取得できる制度で、時間単位での取得が可能です。子の看護休暇は年次有給休暇とは別で取得できるものであり、従業員が子育てと仕事をより両立できるような環境づくりを目的としたものになります。対象者は日雇い労働者を除く労働者が対象となりますが、労使協定によって以下の労働者からの申出を拒否することができます。1 雇用期間が6ヵ月未満の労働者 2 1週間あたりの所定労働日数が2日以下の従業員 3 時間単位で子の看護休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働(1日単位での取得は拒否できません)また子の看護休暇を取得した日における賃金を有給にするか無給にするかは企業が自由に定めることができます。 そして、その決定した内容を就業規則へ規定します。子の看護休暇の規定方法 子の看護休暇も、育児休業と同様に、就業規則への記載が必要となります。 記載する内容は以下になります。・対象となる労働者の範囲・取得するために必要な手続きの内容 ・取得できる期間 ・取得における賃金の有無や計算方法法律に違反する内容は無効となる為、法律を順守した内容で作成する必要があります。子の看護休暇における就業規則への記載例 子の看護休暇における記載例を一部ご紹介いたします。第〇条 1 小学校入学前の始期に達するまでの子を養育する従業員(日雇い労働者を除く)は、負傷又は疾病にかかった当該子の世話又は疾病の予防を図るために必要な世話をするために、年次有給休暇とは別で子ども1人につき1年間5日、2人以上の場合は10日を限度として、子の看護休暇を取得することができる。この場合の始期は4日1日から1年間とする。ただし労使協定によって除外された次の従業員からの申出は拒むことができる。一 入社後、雇用期間が6ヵ月未満の者二 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員2 取得する従業員は所定の用紙にて事前に会社に申し出るものとする 育児休業と子の看護休暇の違い 育児休業と子の看護休暇は、仕事と育児の両立という目的は同じです。育児休業は子が原則1歳に達するまでの期間を継続して休むことが可能なのに対し、子の看護休暇は、病気等で看病が必要な時に単発で休むという点が大きな違いかと思います。育児休業と看護休暇の違いを以下にまとめました。育児休業子の看護休暇取得権利条件を満たせば取得可能(会社は拒めない)条件を満たせば取得可能(会社は拒めない)対象者1歳に満たない子どもを養育する従業員(男女とも可)小学校入学前の子どもを育てる従業員(男女とも可)取得期間原則1歳になるまで(最長2歳)1人の場合年間5日(2人以上最大10日)取得中の賃金会社の規定による(有給か無給か)会社の規定による(有給か無給か)国の給付金育児休業給付金として、休業開始時賃金日額×支給日数×67% (6か月以降は50%)なし産後パパ育休とは 産後パパ育休(出生時育児休業)とは子が生まれてから8週間以内に、最大4週間の休業(最大28日間の休業)を取得する事ができる制度です。2回に分けて取得することも可能です。 制度自体は令和4年10月から始まったまだ新しいものです。男性の育児休業の取得を促進するために取得のニーズが高い出産直後の時期に、より柔軟に取得できるよう設けられた制度です。 なお、労使協定によって労使が合意した範囲内で休業中の就業も可能です。ただし、就業には上限があり、休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分までとすることや、休業開始または終了日を就労日とする場合には当該日の所定労働時間数未満とする必要があります。また、出生時育児休業給付金を受給する場合には、就業日を最大で10日まで(休業期間が28日より短い場合は、日数に比例して減少)とする必要がありますので、注意が必要です。給付金額は育児休業と同じく、原則として”休業開始時賃金日額×支給日数×67%”となります。産後パパ育休を取得する場合は、原則として休業する2週間前までに会社へ申出をする必要があり、分割する場合でもまとめて申出をする必要がありますので、ご注意ください。男性の育児休業における規定例(産後パパ育休) 産後パパ育休は休暇に係る事項になりますので、就業規則への反映は必須となります。 まだ記載していない場合は早急に記載することをお勧めいたします。 就業規則への記載例は以下になります。第〇条 1 子を養育するために休業を希望する者であって、産後休業を取得しておらず、 出生または出生予定日のいずれか遅い方から8週間以内の子と同居し、養育する者は、この規定に定めるところにより出生時育児休業(産後パパ育休)を取得することができる。 なお、日雇い労働者や一定の契約社員、また労使協定によって適用除外とした入社1年未満や週の所定労働日数が2日以下の従業員、そして申出から8週間以内に契約が終了する従業員を対象から除外することが可能です。対象者を限定したい場合には、その旨も別途記載するようにしましょう。 社労士に就業規則作成を依頼するメリット 就業規則は、従業員の方の権利や義務を定めるものであるため、その作成や変更は企業にとって重要です。労働基準法やその他の労働関連法規に適合しているか確認しつつ、企業の運営や秩序維持に支障が無いよう就業規則を作成することは、容易ではありません。特に今回ご紹介した育児介護休業法は一部の内容が変更になったり、追加されたりなど毎年のように法改正が行われておりますので就業規則の改訂が追い付いていない企業も多いかと思います。無料のテンプレートなどを使用した場合も、最新のものに更新されていない場合や義務ではない事項が記載されている可能性があるなど、法令違反や過剰な対応となってしまうことも考えられます。少しでも不安がありましたら一度お気軽にご相談下さい。社会保険労務士へ依頼することで、最新の法律に基づく適切な就業規則を作成できるだけでなく、従業員トラブルのリスクの低減や会社の問題点を把握することもできます。また愛知総合法律事務所には社会保険労務士だけでなく、弁護士、司法書士、税理士も在籍しております。就業規則の内容が、従業員とのトラブルとなった際のリスクや、会社法・税務上の問題が無いか、連携を取りながらワンストップでお客様にご提案行う事が可能です。 就業規則作成・変更に関して無料でご相談を受けております。まずはこちらからお気軽にお問合せください。
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フレックスタイム制を就業規則に記載する例を解説
フレックスタイム制は一定期間内の総労働時間を事前に設定し、その範囲内で従業員が自身の始業、終業時刻を調整できる制度です。この制度により、従業員は生活と仕事のバランスをとりながら効率的に働くことが可能になります。またフレックスタイム制を導入している多くの企業では、全従業員が必ず勤務する「コアタイム」と自由に出退勤できる「フレキシブルタイム」の2つの時間帯を設けていますが、 これらの設定は必須ではなく、企業ごとに異なります。 フレックスタイム制の導入率が高い業種には「情報通信業」や「金融・保険業」、「電気・ガス・水道業」、「エンジニア」などが挙げられます。個人の裁量で仕事を進められる職種が多いという印象です。当事務所ではフレックスタイム制などを踏まえた就業規則作成も承っております。全国対応しておりますので、まずは無料相談までお気軽にお尋ねください。詳しくはこちら。フレックスタイム制度のメリットとデメリット フレックスタイム制のメリット・デメリットには次のような点が挙げられます。メリット ワークライフバランスの両立 従業員が自ら出退勤時刻や1日の労働時間を決定できるため、混雑する通勤時間帯を避けて出社する、子育て中の人や介護が必要な家庭の場合、送迎や介護の時間を確保しやすくなるなどのメリットがあり、家庭と仕事をバランスよくこなすことが可能になります。残業時間の削減 先に記載の通り、フレックスタイム制は従業員が自身の勤務時間を柔軟に設定できる制度で、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えてもすぐには時間外労働とはなりません。また1日の従業員は1日の労働時間が少なくても直ちに給与額を減額されることはありません。更にフレックスタイム制では、事前に決めた1~3か月の期間内で、繁忙期や閑散期に応じた労働時間の調整できるため、忙しい日は長く働き、余裕がある日は早く帰ることができます。これにより、効率的に時間を使うことができ、残業時間の削減にもつながる可能性があります。離職率低下や人材確保につながる 多くの人が、育児や介護などのプライベートな理由で、現在の職場を続けたいと願いながらも退職を余儀なくされています。しかしフレックスタイム制を導入すれば、従業員は自身の生活スタイルに合わせて労働時間を調整できるため、仕事を続けやすくなります。フレックスタイム制は従業員の離職を防ぐだけでなく、求人募集においてもワークライフバランスが整っている点が大きな魅力となり、優秀な人材を引き付ける力となるかもしれません。デメリット 労働時間の管理が煩雑化する フレックスタイム制では、従業員自身が総労働時間を計画的に管理することが求められますが、事業主もその管理が適切かどうかをチェックし、必要に応じて指導することが大切です。しかしフレックスタイム制は従業員の出退勤時刻がまちまちで、個々の正確な労働時間を管理するのが難しくなる可能性があります。このため事業主には労働時間の適切な管理方法の導入が求められます。従業員同士のコミュニケーションが不足したり、顧客対応が疎かになる可能性あり 従業員それぞれの勤務時間帯が異なることにより、顔を合わせる機会が減り、連絡を取りたくても相手が不在で困るといったことが起きる可能性があります。例えば、お客様からの問い合わせに対して担当者が不在で対応が遅れるなど、信頼を失うことも懸念されます。多様な勤務時間は従業員間のコミュニケーションや顧客対応に影響を及ぼすこともあるため、導入の際は事前の十分な検討や対策が求められます。早出や残業の命令が難しくなる。 フレックスタイム制は始業及び終業の時間を労働者の決定に委ねる制度であるため、たとえ急ぎ対応しなければならない事態が発生したとしても事業主はコアタイム以外の時間帯で早出や残業命令を行うことはできません。あくまでも従業員の同意を得た上で、従業員の自発的な意思により早出、残業を行うか否かを決めることが原則的なルールです。 ただ、これでは事業運営や業務に大きな支障が生じることも考えられます。このような場合、事業主は早出や残業を行うべき合理的な理由を告げた上で要請することは認められると解されています。それでもなお就労に同意せず、その結果業務に支障をもたらした従業員については、何らかの対応(たとえば人事評価に反映させる、フレックスタイム制を一時的に解くなど)検討が必要になるのではないでしょうか。労使協定および就業規則へフレックスタイム制の記載例 はじめに、フレックスタイム制を導入するには、就業規則に必要事項を明示するだけでなく、労使協定の締結も必要ですので、その内容をお伝えします。なお労使協定には次の①~⑤を定めます。①対象となる従業員の範囲「全従業員」「営業職員」「役職者のみ」など、具体的にどのような従業員を対象にするのかを明確にします。 (例)原則、全従業員にフレックスタイム制を適用する。②清算期間1~3か月の間で設定できます。また起算日も定めます。 (例) 清算期間は1か月とし、毎月1日から末日までとする。 ③清算期間における総労働時間清算期間中に労働すべき総労働時間を記載します。総労働時間は法定労働時間の総枠(*)の範囲内で定めなければなりません。(*)清算期間における法定労働時間の総枠=1週間の法定労働時間(40時間)×清算期間の歴日数÷7日 (例) 総労働時間は8時間×1か月の所定労働日数 とする。 ④1日の標準労働時間有給休暇を取得した際の賃金の算定基礎となる労働時間を指します。有給休暇を取得した場合は、ここで定めた標準労働時間労働したものとみなされます。 (例)1日の標準労働時間は8時間とする。 ⑤コアタイムとフレキシブルタイムの設定 (任意)コアタイムとは全ての従業員が必ず勤務すべき時間帯を、フレキシブルタイムとは個々の従業員が自由に出退勤できる時間帯を指します。なお規定は任意ですので、法律上明記の義務はありません。 (例)コアタイムは次の通りとする。 10:00~15:00 フレキシブルタイムは次の通りとする。 始業時間帯 6:00~10:00 終業時間帯 15:00~19:00次に、就業規則へは労使協定に定めた内容と同様の内容を記載することで足りますが、例えば次のように労使協定と関連付けた記載をするとスッキリとしていて分かりやすい規定になります。 (例)会社は次の項目を定めた労使協定を締結し、その従業員にかかる始業、終業時刻は各従業員の決定に委ねる。 イ)対象となる従業員の範囲 ロ)清算期間 ハ)清算期間における総労働時間 二)1日の標準労働時間 ホ)コアタイム・フレキシブルタイムを定める場合にはその始業・終業時刻 最後に労使協定に定めのない事項で(例えばフレックスタイム制の適用がふさわしくない従業員の対応など)、必要と思われる内容がある場合は、就業規則に忘れずに盛り込みましょう。労使協定の締結方法 フレックスタイム制を導入するには労使協定の締結が必須です。なお清算期間が1か月を超えるフレックスタイム制の場合は、労働基準監督署へ協定の届出が不可欠です。ご注意下さい。① はじめに従業員代表を選出します(事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がない場合)代表者の選出は民主的な方法により、事業場ごとに行いましょう。 ② 次に、選出された従業員代表等と協定の内容を協議の上、労使協定を締結します。 ③ 締結後は従業員への周知(書面の交付、掲示などの他、従業員がすぐに閲覧できる状態にする)も忘れずに行いましょうコアタイムの設定と不要なケース コアタイムとは、全従業員が必ず勤務しなければならない時間帯を指しますが、勤務時間を完全に従業員の裁量に任せる場合はコアタイムの設定は必要ありません。コアタイムなしの制度は、従業員の自由度が増し、その結果ストレスが軽減され、より高いパフォーマンスの発揮が期待できます。しかし、完全に自由化してしまうと従業員間のコミュニケーションが希薄になる、顧客対応がスムーズに進まないなどのデメリットも考えられるため、コアタイム設定をするかどうかについては、慎重な判断が求められます。フレックスタイム制へ従業員の理解と周知 フレックスタイム制は職種や仕事内容によって適用の向き不向きがあるため、すべての従業員に適用できないことがあります。ただこの場合、適用されない従業員から不満が出ることも考えられます。そこで、会社は適用されない全ての従業員に対し、フレックスタイム制の制度そのものについて、導入の経緯、フレックスタイム制の必要性やデメリットなど、あらゆる事項について透明性を持って説明し、理解を得ることが不可欠です。問題が発生した場合の対応方法 フレックスタイム制を悪用し、夜や朝ばかり出勤する、上司が不在の時間を狙って出勤するといった従業員が増えること懸念されます。こうしたフレックスタイム制の悪用を防ぐためには、まずその制度の目的を全員が理解することが重要です。従業員が制度を正しく利用し、会社の導入目的と一致して働けるよう、以下のルールを検討しましょう。① コアタイムの設定勤務しなければならない時間帯(コアタイム)を設定することで朝だけ夜だけといった偏った出勤をなくすことができます。② 各人の出退勤の予定時間を周知各従業員の出勤および退勤予定を社内システムや予定表のボードに数日分記載しておくことで、顧客対処や報告、連絡、相談がスムーズになります。③ルーズな社員へ評価の減点や処分の検討勤怠がルーズな従業員は、顧客や他の従業員に迷惑を掛ける可能性があります。そのため、コアタイムを設け、その時間を守れない場合は遅刻や早退として給与からの控除を行うことを検討して下さい。それでも改善が見られない場合には、指導や人事考課での低評価等を検討することも有効かもしれません。フレックスタイム制の定期的な見直し フレックスタイム制を導入後、しばらく経つと予期しない問題や改善すべき点が見えてくることがあります。そのため、コアタイムやフレキシブルタイム、対象となる従業員の範囲などを定期的に見直し、自社に最適なルールを構築していきましょう。労働基準法の法的要件と36協定 フレックスタイム制においても、時間外労働の上限規制は適用されます。そのため、実労働時間が清算期間内の法定労働時間の総枠を超える場合は36協定の締結が必要です。 またフレックスタイム制のもとで、勤務した休日労働(週に1回の法定休日に労働すること)は清算期間における総労働時間や時間外労働には含まれず、別で扱われますので注意が必要です。社労士に依頼するメリット フレックスタイム制の導入には事前の準備や労使協定の締結、就業規則への記載、労務管理の問題など多くの対応が必要ですが、これら全てを一から対応するのは容易ではありません。 そこで、労務管理・就業規則の専門家である社会保険労務士に作成や管理の依頼をしてみてはいかがでしょうか。 社会保険労務士に依頼することで、法律に基づく適切な就業規則や労使協定の書式を作成できるだけでなく、法令違反のリスクを低減することもできます。 まずはお気軽にご相談ください。就業規則作成に関する無料相談はこちらから