当法律事務所では、初回無料の法律相談を実施しております。弁護士に相談をするという事に不安を感じている方や、これぐらいの悩みを相談していいのだろうか、というお気持ちを持たれる方など様々なご事情の方がいらっしゃいます。そこで無料相談でお話を伺い、相談者様が安心して頂けるよう、ベストな選択を一緒に考えております。
また弁護士に早めにご相談いただく事で、問題が整理され解決策が見いだせたり、実際に弁護士と話しをする事で雰囲気や相性など確かめて頂けるかと思います。まずはお気軽にご相談ください。
お知らせ
- 23.09.22ご案内
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適格請求書発行事業者(インボイス事業者) 弊所登録番号のお知らせ
- 24.10.30ご案内
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東京自由が丘事務所より通信障害復旧のお知らせ
- 24.10.29ご案内
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78期司法修習生対象 WEB説明会のお知らせ
- 24.10.28ご案内
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日進赤池事務所よりFAX受信不具合復旧のお知らせ
- 24.10.15重要
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当事務所・当事務所所属弁護士を騙るなりすまし行為にご注意ください
- 24.09.30ご案内
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社会保険労務士のHPをリニューアルしました。
初回無料の相談
面談、オンライン、電話による法律相談を実施しています。
どの相談方式でも初回のご相談は無料です。
面談、オンライン、電話による
法律相談を実施しています。
どの相談方式でも初回のご相談は無料です。
- ※ご相談内容によっては法律相談に応じられないことがありますので、予めご了承ください。
- ※面談でのご相談の場合、初回(30分程度)無料です。
- ※ご相談前にお聞きします個人情報は、相談受付のために必要な聞き取りになります。
個人情報の取り扱いについては、プライバシーポリシーをご覧ください。
選ばれる理由
専門部が充実
名古屋丸の内事務所では、事件の種類ごとに分かれた【離婚部】【相続部】【破産・管財部】【医療法務部】【労働部】があり、専門のチームが事件解決に向け動いています。
初回の相談料は無料
少しでも気軽にご利用いただけるよう、お電話や面談、オンラインによる無料法律相談を実施しております。丸の内本部事務所では、土日の法律相談も承っております。
ワンストップ体制
名古屋丸の内本部事務所では、弁護士の他に、税理士、司法書士、社会保険労務士が複数在籍しており、弁護士と共同で事件解決に向け活躍しております。
法律事務所をお探しの方へ
愛知総合法律事務所は、中部・東海圏でも最大規模の法律事務所として弁護士が多数在籍しております。(男性弁護士・女性弁護士ともに在籍)。法律事務所といえば、弁護士1名~数名の個人事務所というイメージを持たれる方も多いと思いますが、弁護士が多数在籍している事は、ご相談者様にとって大きなメリットがあります。
当事務所は2022年に年間で9000件以上のご相談をいただきました。
ご相談内容は1人1人、状況や思いも違っており、まったく同じお悩みはありません。弁護士1人1人がご相談に真摯に向き合い、得たノウハウを事務所全体で共有することにより、事件解決の道筋を立てる精度や専門性を高め、安定したリーガルサービスの提供に努めております。
また、当事務所には弁護士数に応じ、事務スタッフも多く在籍しております。これによって、複数人体制や事件分野ごとに専門チームが組織出来るという点は、大きい事務所の強みであり、質の高いリーガルサービスに繋がっているというメリットでもあると思います。
弁護士を探される上で、事務所の規模や場所を参考にされる方もいらっしゃると思います。当事務所は名古屋市内に3つの事務所がございますので、ご利用しやすい事務所にてご相談いただくことが可能です。
新瑞橋事務所(瑞穂区)
名古屋新瑞橋事務所は、地下鉄新瑞橋駅より徒歩すぐに立地しております。瑞穂区、南区、緑区、熱田区、港区、昭和区、天白区をはじめとした近隣の方々にお気軽にご相談頂ければと思います。
藤が丘事務所(名東区)
名古屋藤が丘事務所は、地下鉄東山線・リニモ「藤が丘駅」徒歩1分の場所に立地しており、名古屋市名東区、守山区、長久手市、尾張旭市、瀬戸市方面から交通機関を利用してもアクセスしやすい場所にあります。
法律相談について
人生の中で法律事務所に相談をするという事は、あまりない事と思います。ネットなどで名古屋の弁護士と探しても、実際にどのように相談したらいいのか、
何を話したらいいのか、不安になる事もあると思います。当法律事務所の弁護士へ相談される際の流れについて、ご説明いたします。
1 お電話・メールフォームにてお問合せください
初めて法律相談をされる方は、お電話でのお問合せがおすすめです。 こちらでは、ご予約をおとりするために、事務員が対応いたします。 お電話をいただいた方の氏名・ご住所・お電話番号、相手方の氏名等必要情報の聞き取り、ご相談内容の要旨を確認し、ご予約をお取りいたします。 まずは、052-212-5275までお電話ください。メールフォームでのお申込みをご希望される方は、こちらからお問合せください。
2 無料相談の方法
当法律事務所ではご相談者様の状況に応じた3つの無料相談(面談相談・電話相談・オンライン相談)があります。弁護士への法律相談が初めての方は面談による相談がおすすめです。詳細はこちら
3 弁護士への無料相談
法律相談の際には、ご相談内容に関連する資料(証拠)などのご準備がありますと、弁護士としてもその後の見通しをたてやすくスムーズになります。 ご相談者様の抱える問題について、不安な事やわからない事、弁護士費用なども、遠慮なくご質問ください。 また、無料相談はその後必ず依頼しなければならないものではありませんのでご安心ください。
どこまでが無料相談の範囲か
無料相談は、初回30分程度を無料としております。ただし、離婚・相続の面談相談は初回60分無料です。お受けできる内容の範囲は、相談方法によって異なるためこちらからご確認をお願いいたします。
土日・夜間の無料相談
名古屋丸の内本部事務所では、平日の日中お忙しい方に向けて土日・夜間の法律相談を実施しています。 ご希望の方は、まずはお電話いただき、受付の案内に沿ってご予約を頂ければと思います。 法律問題でお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。
ご依頼の場合の弁護士費用について
正式にご依頼頂く場合の弁護士費用に関しては、具体的な内容によって変わりますので、詳しくはこちらをご参照ください。 また初回無料の相談の際には弁護士から費用についてもご説明しますので、ご不安に思う事や気になることなど遠慮なくご質問頂ければ幸いです。
弁護士に相談するタイミングについて
弁護士にいつ相談するのがよいか、というと「早ければ早いほど」良いという事となります。法律相談において、とにかく早く相談するほど、メリットが多いためです。
早く相談するメリット
法律相談において、早くご相談頂くことによって、弁護士側からご提案できる選択肢が増え結果的にトラブルが解決しやすい傾向にあります。 例えば、時間が経過すると証拠が失われたり、記憶が曖昧になる事があります。また、時効、借金問題、家庭内のDVなどの問題は時間が経つほど問題が悪化する傾向にあります。 そのため早めに弁護士までご相談頂く事でトラブル解決へと導きやすくなります。
安心感を提供できる早くご相談頂く事で、当然対処方法も早く知る事ができます。例えば、離婚や遺産相続など感情的な衝突が多い問題の場合、弁護士が間に入るだけでも味方が出来て安心して頂ける事もあると思います。 一人で抱えていた悩みから解放されて、精神的に安心できるというのは大きなメリットではないかと思います。
早めの相談は、慰謝料請求されたとか弁護士や裁判所から通知が来た場合などの緊急性があるケースだけでなく、特に深刻ではないと思われる問題でも 弁護士が判断すると早く手を打つ必要のある問題という事があります。病気の早期発見のようなイメージです。
そのためにも、是非初回無料の法律相談をご利用ください。 「こんな相談していいのかな」と思われるようなご相談でも大丈夫です。 深刻な問題でなくとも、将来を見据えて弁護士が予防策や回避策などの提案をする事ができますので、漠然とした不安から解放されてご安心頂けると思います。 まずは初回無料の法律相談までお問合せください。
法律相談は愛知総合法律事務所
弁護士法人愛知総合法律事務所は、40年以上にわたり愛知県名古屋市を中心に活動し、現在中部・東海圏で最大規模の法律事務所として多数の弁護士が在籍しています。
また、税理士、司法書士、社会保険労務士も在籍しているため、様々な法律問題をワンストップで対応する事が可能です。
「大きい事務所だから敷居が高い」「こんな事を相談して良いのだろうか」と感じられるかもしれませんが、心配はご無用です。
私たちは街の法律専門家として、親身になって問題解決に向けて一緒に取り組みます。
病気になった時に病院に行かれるように、法律問題で困った時は弁護士にご相談下さい。
総合法律事務所として
当事務所は、総合法律事務所として幅広い分野の法律問題に対応しております。 離婚問題や相続問題、交通事故、借金問題などの民事と呼ばれる分野だけでなく、 刑事事件の弁護活動、法人向けの企業法務や会社設立、法人トラブルに関わる事など多岐にわたる法律分野をカバーしております。
また、弁護士だけでなく、法律事務もスキルアップに力を入れ、法律セミナーを受講するなど日々研鑽を積んでおります。 敷居は低く、専門性の高いリーガルサービスをご提供しますので、安心して頂ければと思います。 名古屋で弁護士をお探しの方は、愛知総合法律事務所まで是非ご相談ください。
名古屋で多くの方に選ばれ続けている、弁護士法人愛知総合法律事務所が全力でサポートをして、最善を尽くします。
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就業規則のハラスメント(パワハラ・セクハラ)記載例を社労士が解説
就業規則で書くハラスメントの定義とその種類 事業主に対し、職場におけるハラスメント対策が義務化されています。ハラスメントには様々な種類があると言われていますが、事業主に対策が義務付けられているのは、セクシュアル・ハラスメント(平成11年)、妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント(平成29年)、そしてパワーハラスメント(令和2年、令和4年)となります。各ハラスメントの概要は下記のとおりです。パワーハラスメント 職場において行われる、立場や優越的な関係を利用した嫌がらせや就業環境を悪化させる言動などをいい、身体的・精神的な攻撃以外にも、過大な要求や逆に仕事を与えない等の過小な要求などもパワハラに該当します。セクシュアル・ハラスメント 職場において行われる、意に反する性的な言動により労働条件について不利益を受けたり、就業状況が害されることマタニティハラスメント 職場において行われる妊娠・出産・育児休業等を理由とした上司・同僚からの言動により就業環境が害されること義務化された対策の一つとして、ハラスメントの内容や対処方法について就業規則に規定することが求められています。関連記事 就業規則をテンプレートで作るメリットとデメリット職務上の言動とハラスメントの関係 上述の対策が義務化されたハラスメントを含め、今では様々なハラスメントがありますが、特にパワハラについては「指導のつもりが実はハラスメントに該当していた」というように、行為者の気が付かないままハラスメントをしているというケースが少なくありません。相手よりも優越的な立場にある状況で、業務上不必要な言動による指導はパワハラとなる可能性がありますので注意してください。パワハラが社内に蔓延すると、退職者が増加することや、生産性が低下する可能性がありますので、正しい指導方法に関する知識を得ることが大切です。当事務所ではハラスメントについても考慮した就業規則作成に関するご相談を無料で承っております。全国対応しておりますのでお気軽にお問合せください。詳しくはこちら従業員が遵守すべき服務規律 服務規律は従業員が勤務する上で遵守すべき事項を定めたものです。 上司の指示を守ることや社内の機密情報を漏らさないことなど、社内秩序の保持に必要な事項となり、これらは就業規則に規定することが一般的です。ハラスメント行為の禁止についても社内秩序保持に必要な事項となりますので、服務規律事項の一つとして定めます。就業規則へ詳細に定めておくことで、ハラスメント行為等の服務規律違反が発生しても対処がしやすくなります。ネット上で、ハラスメント規定のテンプレートを入手することができ、これを活用する方法もありますが、そのまま盛り込んでしまうと自社の実態に沿わない内容となり、必要な対処を取れなくなる可能性がありますので、実態に合わせ修正を入れる必要があります。服務規律は社内秩序の保持に重要な事項となります。 特にハラスメント行為はどこの会社でも発生する可能性がありますので、行為者である従業員へ適切に対処し、まじめに頑張っている社員が退職することの無いよう、ハラスメントの未然防止や、万が一発生した場合の対処がしっかりと取れる服務規律を定めることが大切になります。 就業規則における懲戒処分の規定 使用者が従業員に対して懲戒処分を行うには、就業規則においてどのような行為が懲戒事由となり、どのような懲戒処分を受けるのか、その種別と程度を定め、周知する必要があります。ハラスメント行為等の服務規律違反も懲戒事由となり得ますので、どのような行為をした場合に、どの程度の懲戒処分を与えるのか規定する必要があります。 懲戒事由の一部例として、①正当な理由なく欠勤、遅刻、早退を繰り返したとき②勤務態度不良又は職務怠慢と認められたときなどがありますが、ほんの一部になりますので、なるべく細かく規定していきましょう。主な懲戒処分の種別と内容 ・戒告 :一般的に過失に対して口頭や書面にて注意すること ・けん責 :始末書を提出させて将来を戒めること ・減給 :本来支払われる賃金から一定額を差し引くこと ・出勤停止:日数を決めてその期間出勤停止させ、その間の賃金を支払わないこと ・降格 :役職や職能の等級を下げること ・諭旨解雇:反省が見られる従業員に退職届を提出するように勧告すること ・懲戒解雇:最も重い懲戒処分であり、会社が一方的に労働契約を解除すること 就業規則でパワハラ・セクハラに関する記載例 パワーハラスメントに関する規定は就業規則本体の条文に、「詳細は別途ハラスメントの防止規定により定める」等とし、本体に付属するものとしてハラスメント防止規定を作成することが一般的です。記載例として、まずは目的およびハラスメントの定義を記載した上でそれに対応する具体的な禁止行為を規定します。第1条(目的) この規定は、就業規則第〇条に基づき、社内におけるハラスメントを防ぐために従業員が遵守すべき事項を定める。第2条(パワーハラスメントの定義) パワーハラスメントとは、地位や人間関係などの職場における優位性を背景に、業務上必要な範囲を超えて、精神的・肉体的に苦痛を与える、又は職場内における就業環境を悪化させる行為をいう。ただし、客観的にみて、業務上必要なものとして行われる適正な指導や業務指示はパワーハラスメントに該当しない。2 セクシャルハラスメントとは、職場における性的な言動に対する他の従業員の対応等により当該従業員の労働条件などに関して不利益を与えること、又は当該従業員の就業環境を害することをいう。第3条(禁止行為) 従業員は職場内において、下記の第2項から第〇項に掲げる行為を行ってはならない。2 パワーハラスメント ① 前条の規定に該当するような行為を禁じる ② 従業員がハラスメントを受けているという事実を知りながら、これを黙認する上司や代表者の行為3 セクシャルハラスメント ① 前条第2項の規定に該当するような行為を禁じる ② 従業員がハラスメントを受けているという事実を知りながら、これを黙認する上司や代表者の行為細かく禁止行為規定したい場合は、具体的な例を記載していきましょう。例: ① 暴行など身体的な攻撃を行うこと ② 名誉棄損や侮辱行為等、精神的な攻撃を行うこと ③ 性的なことに関する不必要な質問 ④ 身体への不必要な接触や性的関係の強要 また後程説明致しますが、ハラスメントにおける適切な相談窓口についても規定する必要があります。性的指向と性自認に関するハラスメント規制例(SOGIハラスメント) SOGI(ソジ)ハラスメントとは主に性的指向や性自認に関連した嫌がらせや嘲笑、差別的な言動などを行うことをいいます。 具体的にはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー(略してLGBT)と呼ばれる人に対して上記のような行動のほか、本人の了承を得ずに、他人に暴露することなどがSOGIハラスメントに該当し、これらもパワハラやセクハラの一つとして2018年より厚生労働省で認定されています。 これらに関する禁止事項がまだ就業規則に規定されていない場合は、トラブルが起きて対処が難しくなる前に新たに追記することをおすすめします。職場のハラスメント対策のガイドライン ガイドラインとは守るべきルールが細かく規定されている就業規則とは違い、その職場における指標や指針・方向性のことを指します。ハラスメント対策の一つとして、事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発が義務化されています。具体的には、職場におけるハラスメントの内容・ハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発することや、行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、労働者に周知・啓発することです。難しい法律言葉で規定されている就業規則ではなかなか理解してもらえない可能性もありますので、何をしたらダメなのかをイラストなどを用いてガイドラインを作成し、従業員に配布するとハラスメントの防止により効果的と言えるでしょう。適切な相談窓口とサポート体制 これまで説明したハラスメントにおける定義や禁止事項、懲戒事項を記載したら終わりではありません。会社はハラスメントにおける相談体制及び対処についても明確化することが義務付けられています。 実際にハラスメントが起きた際の適切な対応の流れとしては以下になります。① 相談窓口にて事実関係の確認 ② ハラスメント調査報告書の作成 ③ 相談者及び行為者に対する措置を検討 ④ 相談者及び行為者へのフォロー ⑤ 再発防止策の確立 ここまで対応することがハラスメント対策として義務づけられていますので、規定が不十分な場合は就業規則を修正することをおすすめします。 また相談者や行為者等のプライバシーを保護する義務もありますので、相談窓口となる従業員へ守秘義務に関する指導が必要です。 そして相談したことや告発したことを理由として解雇その他不利益な取り扱いはしてはいけませんのでご注意ください。 従業員へのハラスメント規定の周知方法 ハラスメント防止規定は就業規則の一部となりますので、必ず従業員に周知する必要があります。事業所の見やすいところに掲示を行うことや、データや書面を従業員に配布することが求められます。 また、それだけでなく、従業員が日ごろから目にする社内報やパンフレットなどイラストや大きな文字を使ったイメージしやすいもので周知を行うとハラスメントの防止により効果的と言えます。ハラスメントに対して事業主の法的義務と責任 事業主はこれまで説明した防止措置を講ずるだけでなく、以下の事項に努める責務があります。 ・ハラスメント問題に対する労働者の関心と理解を深めること ・雇用する労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うように研修や講習などを実施し、配慮すること ・事業主自身がハラスメントの問題にしっかりと向き合い理解を深めて労働者への言動に注意すること。 従業員保護のための就業規則の見直しを社労士に依頼するメリット 就業規則の作成や変更は企業にとって重要な作業です。労働基準法やその他の関連法規に適合しているかどうかなど、詳細までしっかり対応できているかを確認するのは容易ではありません。 また今回ご紹介したパワハラ防止の措置も、既にすべての事業主に対し義務化されていますので、まだしっかりとした規定を盛り込めていなかったり、現在規定する内容が薄いと感じた場合は、就業規則の専門家である社会保険労務士へ作成・変更の依頼をされてはいかがでしょうか。 社会保険労務士へ依頼することで、法律に基づく適切な就業規則を作成できるだけでなく、従業員トラブルのリスクを低減することもできます。 その他にも、社会保険労務士へ依頼することで会社の現在の就業状況における問題点を把握できたり、自社の働き方に合わせたオーダーメイドの就業規則を作成することができます。 なお、愛知総合法律事務所には社会保険労務士だけでなく、弁護士、司法書士、税理士も在籍しており、連携を取りながらお客様に最適なご提案を行う事が可能です。 まずはお気軽にご相談ください。就業規則作成に関する無料相談はこちらから
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就業規則の意見書とは?記入例と流れを解説
就業規則と意見書とは? 常時10人以上の労働者を使用する事業場は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出る義務があります。その際、必要になるのが「意見書」です。 意見書とは、労働者代表から就業規則の作成や変更についての意見を聴き、その内容を書き記したもので、作成した意見には労働者代表の記名が必要です。 意見書が必要な理由 就業規則の作成・変更時には、労働者にも就業規則に関わる機会を与えるため、意見書の提出が求められます。これは労働者が自分たちの労働条件に関心を持ち、内容を確認・評価する事で、公正で透明性の高い就業規則にすることを目的としています。 また労使双方の視点を取り入れた就業規則であれば、結果として労働者の権利や利益がより適切に守られるようになり、労使間の争いを未然に防ぐことも可能になります。意見書の作成手順 意見書の作成は以下の手順で行います。① 労働者代表の選出(後述)② 就業規則の作成・変更内容に対する代表者からの意見聴取③ 前項の意見を記した書面を作成(=意見書の作成) ※労働者側が何らかの理由によって意見書の記載を拒んだ場合は、意見を聴いたことが客観的に証明できるよう整えた書類と共に就業規則を提出しましょう。当事務所では就業規則作成に関するご相談を無料で承っております。全国対応しておりますのでお気軽にお問合せください。詳しくはこちら意見書を作成する際の注意点 次に意見書を作成する際の注意点を説明します。① それぞれの事業場ごとに意見聴取する 就業規則の作成・届出義務は「事業場」単位が原則であるため、意見書も事業場ごとに聴取し、作成する必要があります。例外的に複数の事業場で同じ就業規則を適用し、本社で一括して届出を行うことも可能ですが、この場合でも意見書は事業場ごとに作成・届出を行う必要があります。なお、事業場は原則場所的観念によって判断されます。例えば大きな会社の場合、東京支店・名古屋支店・大阪支店など、異なる場所にある場合は支店ごとに取得が必要です。ただし、同じ場所にあっても、労働の様態が大きく異なるような場合は、それぞれを個々の事業場として取り扱うこともあるなど、事業場特定には注意が必要です。工場の中にある診療所や自動車などを販売する会社に併設されている整備工場などがこれに該当します。判断に迷う場合は、会社の実態を行政に説明した上で、どちらが事業場に該当するかをしっかりと確認した上で意見書聴取を進めましょう。② 労働者に賛成を強要してはならない 意見書の目的は「意見を聴くこと」であって、賛成や同意を得ることではありません。そのため、取得した意見書の内容が否定的であったとしても、就業規則の効力発生要件を有する限り、その否定的な内容の意見書を添付して労働基準監督署に届出を行うことができます。従って、労働者から反対意見を退けるなど、意見の内容を強要するようなことを行ってはなりません。③ 労働者代表を選出する際は民主的に行うこと 公平・公正な意見聴取のために、労働者代表は投票や挙手、話し合いなどの場を設けて民主的な方法で選出しましょう。意見書の具体的な記入例 意見書の記載例は次の通りです。異議があった場合・第〇章 第〇条に「労働者の定年は満65歳とし、満65歳に達する月の末日にて退職となる」との記載があるが、満70歳までの就業機会の確保は努力義務とされているので、定年は満70歳とすることを再検討して頂きたい。・第〇章 第〇条に記載の有給休暇制度について、時間の有効活用ができるように時間単位 での取得ができるように再検討して頂きたい。異議がなかった場合・就業規則案に意義なし ・特に意見なし ・特になし意見がなかった場合でも必ず意見書の添付は必要となりますので、忘れずに提出しましょう。テンプレート活用方法 意見書のフォーマットは特に指定のものはありません。会社で独自に作成しても、労働局等のHPで提供されているものを活用しても、いずれも問題ありません。 特にこだわりがなければ、労働局等行政から提供されているものを活用すると良いでしょう。意見書に記載すべき事項 意見書には下記の事項を記載するようにしましょう。① 意見書作成日② 宛名 (就業先の会社名及び代表者名) ③ 意見聴取日④ 意見の内容(就業規則の作成・変更内容に対しての意見) ⑤ 労働組合又は労働者代表役職及び氏名 ⑥ 労働者代表を選出した方法(労働組合の場合は記載不要)労働者代表とは 労働者が次のいずれの要件も満たす者であることが必要です。具体的には(1)労働基準法第41条第2号に規定する「監督又は管理の地位にある者でないこと」、(2)就業規則の作成・変更の際に、使用者から意見を聴取される者等を選出することを明らかにして実施される投票、選挙等の方法による手続で選出された者で、使用者の意向によって選出された者ではないこと。上記要件を満たす必要があります。(平11.1.29基発45号、平成22.5.18基発0518第1号)労働者代表の選出方法 労働者代表は、労働者の過半数がその人の選出を支持していることが明確になる民主的な方法によって事業所ごとに選出する必要があります。主に以下の方法で選出します。① 投票:候補者を募集し、労働者による投票を実施② 挙手:労働者による挙手制 ③ 話し合い:労働者同士による話し合い また、選出された労働者代表に対し、使用者には以下2つの配慮義務があります。(1)労働者代表であること等を理由とする不利益な取り扱いの禁止使用者は、労働者が代表者であることや代表者になろうとしたこと、または代表者として正当な行為をしたことを理由として解雇、賃金の減額、降格等労働条件について当該労働者に対して不利益な取り扱いを行わないようにしなければなりません。(労基法施行規則第6条の2第3項)。(2)労働者代表としての事務を円滑に行えるように配慮する義務使用者は、労働者代表が事務を円滑に行えるよう、以下の点に配慮する義務があります。・労働者の意見を集約するために必要となる事務機器 (イントラネットや社内メールなど) の提供 ・事務を行うためのスペース等の確保・提供
労使間の意見聴取の重要性 ここまで記載の通り、労働者代表の選出や意見聴取は、就業規則の成立にとって大変重要です。そもそも、これらの行為を欠く就業規則は無効とされます。また労働者が自社の就業規則を把握し、関心を持つことは、従業員としての意識を高め、責任感を持って仕事に取り組むことにも繋がります。また使用者が就業環境の改善等を求める従業員の意見に耳を傾けることで、従業員の会社に対する信頼度も高まり、企業全体の利益にもつながるのではないでしょうか。意見聴取の進め方、その際の注意点 まずは就業規則の作成や変更について、労働者がきちんと理解できるよう説明し、その後に意見を聴取することが重要です。就業規則の変更内容等について十分な説明がないまま届出を行うと、後に無効とされるリスクもあるため、注意しましょう。次に、労働者代表から意見書を取り付けた際、たとえ否定的な意見が出たとしても、法的に要求されているのは意見を聴くことであり、その意見を反映させることまでは必要とされていません。意見を取得すること自体が、法的な手続きとして必要であるという点を理解し、正しい手順で労働者から意見を聴取するようにしましょう。 意見聴取は形式的に「聴きさえすればよい」「聴くことにのみ意味がある」との誤解を与えてしまうかもしれません。しかし、聴取した意見は労働者との信頼関係を維持するためにも、無視せず真摯に受け止めることが重要です。意見が出た場合は、会社は内容を精査し、できる限り尊重することが望ましいでしょう。意見書の署名と押印の廃止について コロナの影響で、テレワーク等が広がったことにより、行政手続においてもデジタル化や効率化が求められることとなりました。その結果、以前は労働基準監督署に提出する就業規則の意見書には、労働者代表による押印や署名が必要でしたが、現在は廃止されています。 ただし意見書を作成したのはだれか?という点を明確にするため、「記名」は必要なりますのでご注意ください。 なお記名は署名と違い、自筆の必要はなく、パソコンやゴム印等で氏名を記したもので構いません。 就業規則変更を社労士に依頼するメリット 就業規則の作成や変更は企業にとって重要な作業です。労働基準法やその他の関連法規に適合しているかどうかなど、詳細までしっかり対応できているかを確認するのは容易ではありません。 そこで、これらに対応するためにも、就業規則の専門家である社会保険労務士に作成・変更の依頼をしてみてはいかがでしょうか。 社会保険労務士に依頼することで、法律に基づく適切な就業規則を作成できるだけでなく、法令違反のリスクを低減することもできます。 その他にも、社会保険労務士に依頼することで次のようなメリットがあります。・自社の働き方や就業状況に適したオーダーメイドの就業規則を作成することができる ・就業規則を作成する過程で、会社の現在の就業状況における問題点を把握できる (社会保険労務士と打合せを重ねていく中で、現在の労務管理が適切か否かを見直す良い機会になる。) なお、愛知総合法律事務所には社会保険労務士だけでなく、弁護士、司法書士、税理士も在籍しており、連携を取りながらお客様に最適なご提案を行う事が可能です。 まずはお気軽にご相談ください。就業規則作成に関する無料相談はこちらから -
就業規則の変更手順と届け出の書き方
就業規則変更の一般的な手順 就業規則変更の一般的な手順についてご説明いたします。 ① 変更の目的を定める まずは、なぜ就業規則変更が必要なのか、その目的を明確にします。 ② 就業規則の変更点を決めて規定内容を考案する 上記目的を達成するために変更すべき規程のピックアップおよび変更内容の検討を 行います。 ③ 就業規則変更の不利益性の確認 就業規則の内容が従業員にとって不利益に変更されていないか、確認を行います。 ④ 意見書の作成 就業規則の規定変更を終えたら、労働者の過半数を代表する従業員(もしくは過半数 労働組合)に、就業規則変更案を提示のうえ、意見を聴取し意見書を作成する必要が あります。 ⑤ 就業規則変更届の作成 就業規則を労働基準監督署へ提出する際は、就業規則変更届の提出も必要となります。最近は電子申請が増えておりますが、電子申請の場合には、電子上で届出書を作成することが多いものと思います。 ⑥ 労働基準監督署へ届出 変更された就業規則に、意見書および就業規則変更届を添え、管轄の労働基準監督署へ提出します。電子申請ではなく、書面提出の場合には、就業規則、意見書、就業規則変更届をそれぞれ2部用意し、1部は監督署の受領印を受けたうえで、控えとして取っておきましょう。 ⑦ 社内への周知 変更した就業規則は社内全体に周知する義務がありますので、 従業員全員が観覧できる共通フォルダへのデータ保管や、各事業場へ書面を備え付ける等の対応が必要となります。当事務所では就業規則作成に関するご相談を無料で承っております。全国対応しておりますのでお気軽にお問合せください。詳しくはこちら就業規則の変更・見直すタイミング 就業規則を見直すタイミングとしては主に以下のようなケースが挙げられます。 ・労働基準法など労務関連の法律が改正されたとき(育児休業や介護休業法など) ・社内の働き方や賃金体系、手当等に変更があったとき
・労働基準監督署から是正勧告等があったとき
その他、会社を立ち上げて以来就業規則の見直しを全くしていないときや現在の働き方の実態が就業規則の内容と合っていないときなどが挙げられます。関連記事 就業規則をテンプレートで作るメリットとデメリット 次に、上記目的を達成するために、どの規定を変更する必要があるのかをピックアップします。関連規程がある場合は、就業規則本体の規定を引用していることもありますので、関連規程の確認も必要となります。 変更必要箇所のピックアップが終了したら、どのような内容に変更するかを検討します。パートやアルバイトなど正者員以外を雇用している場合は、その変更箇所が正社員以外にも適用されるのかを考慮しながら、変更目的を達成する規定内容を検討していきます。 そして、就業規則の変更に不利益性が無いかを確認します。就業規則が従業員にとって不利益に変更される場合は、労働契約法第10条により変更の合理性が求められます。この変更の合理性判断においては、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情を考慮されることになります、。そのため不利益性が認められる場合には、これらの状況を確認し、変更手続きを進める必要があります。まとめると以下のような順番になりますので、適正な手順で準備を進めていきましょう。 ① 変更の目的を明確にする ② 変更による影響や対処方法を検討し、変更実施の可否を判断 ③ 変更する規定をピックアップし、変更内容を検討 ④ 変更内容に不利益な内容がないかを確認 就業規則変更で必要な書類 就業規則変更の際には、添付書類として、意見書と就業規則変更届を準備する必要があります。それらの書類がそろってはじめて監督署に提出することができます。意見書とは 就業規則に添付が必要な意見書とは、作成・変更した就業規則の内容に対して労働者の代表(もしくは過半数労働組合)から意見を聴取し、書き記した書類のことを指します。 意見書は就業規則を提出する上で必須の添付書類ですので、作成したら就業規則と一緒に提出しましょう。意見を聴取しなかった場合は罰則規定もありますので注意してください(労基法120条1号:30万円以下の罰金)。 また労働者からの意見が特にない場合でも意見書の作成は必要となりますので、その場合は「意見なし」と記載して提出してください。従業員への意見聴取について 上記でも記載した通り、就業規則を作成・変更するにあたって、労働者への意見聴取は義務となっています。 また聴取を行う対象となるのは「労働者の過半数を組織する労働組合」もしくはそのような労働組合がない場合は「労働者の過半数を代表する者」から聴取を行います。「過半数を代表する者」とは管理監督者以外から民主的な方法(挙手や話し合い等)によって選ばれた、事業所で勤務する労働者の代表を指します。 聴取した結果は必ず意見書にまとめる必要がありますが、仮にその意見が反対であったとしても、就業規則の効力に影響が及ぶことはありません。 賛成意見でも反対意見でも、労働者代表の署名または記名押印がある意見書が添付されていれば、就業規則の届け出は受理されます。労働組合との協議と合意の取得について 労働組合が存在する企業が就業規則を作成・変更する場合は、その作成内容や変更内容を説明し、労働協約との内容に差異や矛盾がないか、下回るような条件でないことを確認する必要があります。また労働協約は就業規則よりも法的拘束力が強いため、もし同意が得られない部分があるようでしたら労働協約から見直す必要があります。 就業規則を作成する際は前もって労働協約の内容との整合性を確認しておくことが大事です。就業規則変更届の書き方 就業規則変更届とは、就業規則を変更する際に管轄の労働基準監督署長に提出しなければならない届出のことを指します。 記載する主な内容は以下になります。・就業規則の変更事項 ・事業所名と所在地
・代表者氏名
・業種と労働者数 フォーマットは特に定められておりませんので、各地の監督署や厚生労働省のHPで配布されているひな形を活用し、上記の内容をワード等にまとめましょう。厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナー労働基準監督署へいつまでに提出するのか 就業規則の提出期限は特に法令等で明確な期限は定められていませんが、「遅延なく届け出ること」(労働基準法施行規則第49条1項)とされています。就業規則を作成又は変更した場合は就業規則の施行日までに速やかに届出を行いましょう。就業規則変更後の従業員への周知方法(社内掲示や書面での周知) 就業規則は届出を行ったら効力が生まれるわけではありません。届出後、従業員へ作成・変更した内容を周知して初めて就業規則の効力が生まれます。 周知の方法として以下が挙げられます。 ①書面にて従業員へ交付する ②常時各事業所の見やすい場所に掲示を行う ③パソコン内の共通フォルダ等へ保存する 書面での周知の場合、紛失や社外流出の恐れがありますので、③の周知方法で行うことがおすすめです。従業員説明会の実施 説明会の実施等により、変更内容を説明する義務はありませんが、従業員が変更内容を把握・理解できていないと、ルール変更の実現が難しくなります。会社として実現させたいルール変更の場合は特に、社内で従業員説明会等を開催し理解してもらうことが重要となります。 上述のとおり説明会等の実施は義務ではありませんが、従業員の不利益に就業規則が変更される場合は、従業員に対する説明の程度も合理性の判断要素となりますので、説明会の実施等、丁寧な説明が重要です。就業規則を勝手に変えるとどうなる? 労働者代表の意見聴取や、労働基準監督署への届出が行われていなくても、就業規則が周知されていれば、その効力は及ぶものと考えられています。そのため、従業員に内緒で会社が勝手に就業規則を修正しても、周知さえ行われていれば、その就業規則に拘束される可能性が高いです。 ただし、不利益な変更の場合には、変更の合理性が求められるため、従業員に内緒で変更した場合には、その効力は及ばないと判断される可能性が高いものと考えます。就業規則変更による法的リスクと従業員が変更に同意しない場合 就業規則の変更には、原則として、従業員の同意は必要なく意見さえ聴取すれば問題ありません。同意しなかった従業員も含めて就業規則は適用されます。 しかし不利益となる変更内容の場合は、上述のとおり変更に合理性を持たせるか、個々の従業員の同意を得ることが必要となります。 変更の合理性や同意なしに変更した場合は、原則無効となる上に、従業員との信頼関係を損ねる可能性があり、場合によっては労働紛争にも繋がりかねません。今後の会社経営にも関わることですので、適正な手順で変更を行いましょう就業規則作成について社労士に依頼するメリット 弊所の社会保険労務士は、弁護士と協働し労働事件へも携わっておりますので、そのようなトラブルへ発展しないように考慮しながら、就業規則の作成を進めることが可能です。 また弊所は社会保険労務士だけでなく、弁護士、司法書士、税理士も在籍しておりますので随時連携を取りながらお客様に最適なご提案をさせて頂きます。 作成依頼だけでなく労働問題やそれ以外でも何かお困りのことがあればワンストップで対応可能ですので、いつでもお気軽にご相談ください。就業規則作成に関する無料相談はこちらから -
就業規則をテンプレートで作る時のリスクを社労士が解説
就業規則をテンプレートで作るメリットとデメリット 就業規則のテンプレートは、インターネットで検索すれば行政が出しているものから個人が出しているものまで、様々な書式を簡単にダウンロードすることができます。 テンプレートのメリットは、基本的な内容が網羅されているなど、誰でも就業規則を簡単に作成できるよう工夫されているものも多く、大変便利な作成ツールです。デメリットは、その多くは汎用的に作られているため、自社のルールや特有の実情に合っていないなど、テンプレートの内容をそのまま使用してしまうと、いざトラブルが起きた際に対処できないことも考えられます。 またテンプレートの中には現状の法律に合致していないものもあるため、注意が必要です。テンプレートの就業規則は利便性が高いものの、使用の際は十分ご注意下さい。当事務所では社労士が就業規則に関する無料相談を行っております。詳しくはこちら就業規則に必ず記載すべき事項とその理由 絶対的必要明示事項は内容ごとに分類すると以下の3つに大別されます。①労働時間に関する事項 ・始業及び終業の時刻 ・休憩時間 (休憩の長さや開始時間など)
・休日及び休暇 (具体的な休日の曜日や長期連休の休暇の規定など)
・交代制の場合の就業時転換に関する事項 (シフト制など労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合の其々の勤務における始業・終業時刻や適用日など)
②賃金に関する事項 ・賃金の決定 ・賃金の計算及び支払方法
・賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項 ※賃金を決定する職歴や等級などの賃金体系や計算・支払い方法
・支払い方法、昇給に関すること
③退職に関する事項 ・退職の事由や手続き、解雇の事由など従業員の退職に関わる内容すべて※退職や解雇はトラブルが起きやすいため、退職するにはどういう手続きを踏む必要があるのか、解雇はどういう場合に該当するのかなどできる限り具体的に記載することが求められます。なお、絶対的必要記載事項が一つでも記載されていない場合、30万円以下の罰金が科される恐れがあります。(労基法120条1項) 就業規則作成の際には事前に『絶対的必要記載事項』の内容をご確認の上、その全てを記載する必要があります。就業規則のテンプレートでは対応できない労働条件や規定の例 ここではテンプレートの就業規則では、対応できない労働条件や規定例について紹介します。 多くの会社には正社員、アルバイト、契約社員や派遣社員など様々な雇用形態の従業員がいますが、それぞれの雇用形態にあった内容で就業規則を作成しなければ、後々トラブルに発展する恐れがあります。テンプレートには当てはまらない従業員がいることも忘れず、 個々の従業員の雇用形態と労働条件に気を配りながら、規定の内容を検討しましょう。 テンプレートに当てはまらない従業員とはテレワークにより通常の勤務時間とは異なる働き方をしている場合や事務所にいることが少なく、直行直帰など労働時間が算定しがたい従業員、変形労働時間制を用いて勤務している従業員などが挙げられます。テンプレート使用が適さない業種や企業の特徴 テンプレートは就業規則における基本的な内容が記されているものです。そのため会社独自のルールや、従業員によって様々な労働条件があるような会社には適さないものです。 また製造業や建設業など事故が多い業種においては、事故が起こらないようなルール作りに気を配るなど、会社独自の規則の作成が不可欠です。 ただ、細かいルールの作成には大変な労力と困難を伴います。労働関係法令の専門家である社会保険労務士に相談し、会社に合致した就業規則にしてもらうことがお勧めです。 愛知総合法律事務所では企業にあわせた就業規則の作成も承っております。まずはお気軽ご相談ください。就業規則作成に関する無料相談はこちらから自分で就業規則を作成する場合の注意点 就業規則は会社のルールブックです。そのため、経営者が自身で作成することはもちろん可能です。 しかし、就業規則には様々な労働関係法令が絡んでくるため、それらの法律をしっかり理解していなければ作成は困難を極めます。また専門的な知識が不十分な状態で就業規則を作成すると、適法でない規定を作成してしまうなど、結果的に経営リスクの増加につながることも考えられます。会社で就業規則を作成する場合の注意点は以下の通りです。・テンプレートやネットで出回っているものは参考程度に留めておくこと ・他社の就業規則を使用しないこと(その会社の独自のルール等が多いため引用すべきではない)
・現行法令に合致しているか適宜確認しながら作成すること
就業規則の遅刻や早退、欠勤、退職についての書き方 就業規則作成の際によく考えなければならない規則として、「従業員の遅刻や欠勤、早退」があります。ここで書き方の例としてご紹介します。まず遅刻・早退・欠勤等に係る事項を就業規則に定めていなければ、賃金から未就労分の賃金を控除することができません。(就業規則等に定めがないにも関わらず経営者の勝手な判断で賃金を控除すると、法律違反になる可能性があります。) そうならないためにも、就業規則に ①遅刻や早退、欠勤をした場合はいつまでに、誰に、どのような手段で届け出るのか ②どのような計算方法によって賃金から控除できるのか等 を記載しておくことが求められます。遅刻・早退・欠勤の書き方例 (遅刻・早退・欠勤) 第〇条 従業員は、遅刻、早退、もしくは欠勤する場合は、事前に会社に申し出た上で、上長の承認を得なければならない。ただしやむを得ない理由で事前に申し出ることができなかった場合は、事後速やかに上長に届出をし、その承認を得なければならない。※ここで重要なのはただ届け出るだけでなく、しっかり承認を得なければ認められない旨を記載しておくことが大切です。(遅刻・早退又は欠勤の扱い) 第〇条 1 遅刻・早退又は欠勤を行った場合は、当該日数又は時間分の賃金を控除する。 2 前項の控除すべき賃金額の計算方法は以下の通りとする。 【欠 勤】(基本給+各種手当)÷1ヵ月の平均所定労働日数×欠勤日数 【遅刻早退】(基本給+各種手当)÷1ヵ月の平均所定労働時間数×遅刻早退時間就業規則を定期的に見直す必要性 就業規則は作って終わりではありません。職場内の環境や従業員の働き方の変更、法改正が行われた場合には、それらに対応できるよう、就業規則は定期的に見直す必要があります。 最近では、新型コロナウイルスの流行により、テレワークや、副業・兼業での働き方を希望する従業員が増えるなど、社会的にも多くの会社で従業員の働き方に変化が見られます。 会社の就業規則は現状の働き方にマッチした規定になっているでしょうか? また暫く見直しをしなかった結果、気が付かないうちに法令に違反した就業規則になってしまっていることがあるかもしれません。就業規則は是非定期的な見直しを行う事をおすすめします。労働条件や法改正に対応するための見直しポイント 就業規則を見直す際は現在の労働関係法令への適合性・個々の従業員に適用される労働条件などに着目していく必要があります。 2024年現在、特に見直しが必要な事項として以下が挙げられます。残業代等に関する規定 従業員が所定の労働時間を超えてした場合や休日にした場合は、時間外労働として原則残業代を支払う決まりになっています。 従業員が所定労働時間を超えて働いた場合や、休日に働いた場合は、時間外労働として原則残業代を支払う決まりになっています。 その残業代の割増率に関する規定は、労働基準法の水準以上になっているでしょうか? 特に中小企業においては2023年4月以降、1ヵ月の時間外労働が60時間を超える部分については25%以上から50%以上に引き上げられました。 この変更に伴い、基本的な水準も含め対応できているか確認してみましょう。テレワークなどに関する規定 コロナ禍により今では多くの企業がテレワークを導入していますが、一時的な対応のつもりで、テレワークに関する規定を就業規則へ盛り込んでいない企業も多くあるようです。 しかし、トラブルが発生した際、規定が無ければ問題が解決できずにこじれてしまい、会社側が不利益を被る可能性も考えられます。テレワークを導入する(している)場合は、就業ルールや通勤手当、通信費や光熱費などに関する規定を新たに設けましょう。育児・介護休業等に関する規定 近年、育児休業や介護休業に関する法律は改正が多くあります。 最近では2022年に新たに男性の取得を想定した『産後パパ育休』(産後8週間以内であれば最大4週間の育休を2回に分割して取得できる制度)が施行されました。その他、育児休業や介護休業に関する制度は細かなルールなどが多く複雑なため、全体的に見直したほうがよいでしょう。従業員とのトラブル防止策 従業員とのトラブルが発生した場合、会社のルールブックである就業規則は非常に重要ですが、自社の勤務実態にそぐわない就業規則では、かえって会社が不利益を被る可能性があります。 これまで記載の通り、トラブルを未然に防ぎ、起きてしまった問題に適切に対処するためにも、就業規則は法律や実態に即した内容で作りこむ必要があります。 そのため、就業規則のルールや労働関係法令を把握している社会保険労務士に作成依頼をすることをおすすめします。またリーガルチェックなどを用いて定期的な見直しも忘れずに行いましょう。 トラブルを未然に防ぐ方法を一つご紹介します。 まず懲戒事由について具体的に定めた上で、規定の最後に「その他前各号に準ずる行為があった場合」といった包括規定を設ける方法です。このような定めを行うことで、具体的に明示されていない類似の行為についても懲戒の対象とすることが可能になり、予期せぬトラブルが発生した場合にも柔軟な対応ができるようになります。予期せぬ問題に対応するための体制整備 予期せぬ労使トラブルは会社経営を行っていく上でつきものです。しかし、しっかり職場のルールを整えることによって、トラブルは減らすことができます。 会社の就業規則が以下のケースに当てはまる場合は就業規則や職場環境を見直す必要があることが考えられます。・ニュースや新聞等で法改正を耳にするが、特に就業規則への反映はしていない ・労働基準監督署から注意や指導を受けたことがある
・パートやアルバイトがいるが、正社員用の就業規則しか定めていない
・就業規則に定められている内容と実際の労働環境が乖離している
・助成金を受けたいが、受給要件の記載がない
トラブル防止の観点からも労務関係の専門家である社会保険労務士に一度ご相談下さい。社労士が就業規則を作る場合のメリット・デメリット 就業規則を社会保険労務士に依頼した際のメリットとしては、以下が挙げられます。・最新の法改正に適した就業規則になる ・自社の働き方や就業状況に適したオーダーメイドの就業規則を作成することができる
・就業規則を作成する過程で、会社の現在の就業状況における問題点を把握できる (※社会保険労務士と打合せを重ねていく中で、現在の労務管理が適切か否かを見直す良い機会になる。)
またデメリットとして、費用が発生する事が考えられます。ただし、会社の就業環境改善と費用を天秤にかけた時、このデメリットは一時的なものにすぎないのではないでしょうか。当事務所では就業規則作成についての無料相談を受付ております。全国対応していますので、まずはお気軽にお問合せください。就業規則作成に関する無料相談はこちらから