DV離婚の流れと慰謝料請求について
DVとは、ドメスティック・バイオレンスのことを言い、配偶者などの親密な関係の者から暴力を振るわれることをいいます。
DVの当事者は、自分の行為がDVになると気づいていない人もいます。DVは、親密な関係の者から行われるため、我慢したら…と思われる方もいらっしゃいます。しかし、DVは決して許されるものではありません。
DVを行う相手との離婚の場合、よりDVが激しくなる危険性があります。そのため、第三者である弁護士に相談することをオススメします。
最近では相談を無料とする弁護士も増えています。安全な別居の方法、証拠の残し方など、どうやって離婚を成立させるのか、それだけでも無料の範囲で相談できるため、弁護士を味方につけて安全に離婚を成立させるべきです。
DV被害による離婚の流れ
弁護士、または配偶者暴力相談支援センターへ相談
まず、別居についての知識を得ておきましょう。そのためには、弁護士または配偶者暴力相談支援センターへ相談してください。
- シェルターを利用する場合は配偶者暴力相談支援センターへ
- シェルター以外に行く場所がある、別居自体を迷っている場合は弁護士へ
配偶者暴力相談支援センターとは、都道府県や市区町村が運営し、DV加害者からの一時保護をはじめとして、保護施設(シェルター)の情報提供または支援をしてくれる機関です。
シェルターに入りたいと気持ちが固まっている場合は、こちらへ相談すると良いでしょう。
保護命令とは、DV防止法に基づくもので被害者に対する身体への危害を防ぐため、裁判所が、DV加害者に対し、被害者である配偶者に近寄らないよう命じる決定です。
裁判所への申立てが必要になるため、専門的な知識を有する弁護士に相談するのも一つの手段となります。
DVにより、精神的に追い詰められている方もいるかと思います。そのような場合は、ぜひ弁護士へ相談してください。
弁護士は、相談者の味方となり、配偶者暴力相談支援センターの紹介も含め、離婚について総合的なアドバイスをします。
また、後述する通り、DV離婚において、協議離婚はかなり難しいものです。そのため、調停離婚に移行する可能性が大きいといえます。将来的に、調停で代理人となってもらうことを見据え、初めから弁護士に相談することは大変合理的と言えます。
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弁護士に依頼する様々なメリット
当事務所には、このようなDVに関するご相談が多く寄せられています。DV問題は、深刻な事態になる前に弁護士に相談すべきです。ここでは、DV問題を弁護士に相談するメリット等について、ご紹介します。
生活費の請求
DVをする配偶者から経済的な面で支配されていることがあります。そのため、経済面を考慮し、別居を我慢されている方もいます。
しかし、日本の法律には、婚姻費用という夫婦の一方当事者を経済的に保護するための制度があります。別居中の生活費は、婚姻費用といって、受け取る権利があります。
婚姻費用の具体的な額は、夫婦双方の収入や資産等によって異なってきます。法律の専門家である弁護士であれば、婚姻費用の適正額を判断し、相手方に請求する等のサポートが可能です。
離婚協議の交渉
当事務所の弁護士は、依頼者に代わって加害者と離婚の交渉を行うサポートを提供しています。弁護士は代理権があるので、依頼を受けると離婚や親権、面会交流といった様々な交渉が可能です。
専門家が直接交渉することで、離婚の話し合いがスムーズになるだけでなく、離婚に素直に応じない場合でも被害者に接触することを防止できる効果が期待できます。
保護命令の申し立て
DVが悪質な場合、裁判所に保護命令を申し立てることができます。保護命令は、裁判所からDV加害者に対して、接近禁止命令や親族等への接近禁止を発令する強力な手段です。
これにより、深刻なDV被害に遭っている方も安心して、生活できるようになります。
DVの証拠になるもの
DVは、家庭内で起こるため周りの人からは気づかれないことがあります。そのような場合、他の人に相談するには勇気がいるかもしれません。しかし、DVを理由とする離婚の場合、当事者間だけでの話し合いで解決するケースは珍しいといえます。
離婚の話が進まない場合、最終的には、裁判で争うことになります。裁判で、DVによる離婚を認めてもらうためには、「DVが原因で婚姻関係が破綻していること」を、客観的な証拠を用いて証明する必要があります。
例えば、以下のようなものが有力な証拠となり得ます。
- 医療機関の診断書や受診歴
- 暴力によって負わされた怪我や壊された物の写真
- 警察や公的機関への相談記録
- DVの被害を記録した日記・メモ
- 第三者の証言
DVで離婚する場合に請求できる慰謝料について
慰謝料とは、不法行為によって受けた精神的損害に対する補填のことをいいます。DVの場合、精神・身体的損害を被るため、DV加害者に対して、離婚慰謝料を請求できる可能性があります。
DVといっても、その態様や被害の大きさは様々です。裁判の中で慰謝料を請求する場合、証拠が必要になるため、上述の証拠を準備しておくとよいでしょう。
なお、当事者間においてDVの慰謝料額の合意があれば相場以上の額を請求できる可能性もあります。
DV加害者と会わずに離婚できる?
DVを理由とする離婚の場合、DV加害者と直接顔を合わせて、協議離婚を成立させることはとても難しいと思います。
そのような場合は、弁護士を通じて、DV加害者と離婚協議を行うことをオススメします。弁護士に依頼をすることで、弁護士が交渉の窓口となるため、DV加害者の攻撃を防ぐことにつながります。
調停や裁判の場において、DV加害者が被害者に直接会うことを求めるなど、被害者に対して大きな負担を強いる可能性があることから、調停や裁判に発展する場合、裁判所は特段の配慮としてDV加害者と被害者が対面しないよう配慮することがあります。
調停や裁判を行うことに対して恐怖心を抱く方もいらっしゃるかと思います。しかし、現在の日本においては、DV防止法や保護命令、裁判所による配慮といったDV被害者を保護するための仕組みが用意されています。
DVの被害に遭われている方、DVを理由とする離婚をお考えの方は、ぜひ一度弁護士に相談してみてください。相談を受けた弁護士は、あなたの一番の味方として、DVの被害から免れるよう尽力します。