兄弟が自筆証書遺言の成立を争ってきた事例
ご相談内容
自分と同居していた母親が自分に全財産を渡すという遺言を書いていたところ、弟から遺言の無効と特別受益(または不正出金)の主張がなされ、遺産は全て弟のものという主張をされました。
解決事例
遺言自体は被相続人が書いた、書いていないという争いでしたが、鑑定を行う前に相手方が折れ、遺言の内容を尊重した遺産分割協議を行うということになりました。
不正出金部分については、過去の雑多な領収書類を整理して提出し、出金の大部分については理由があるという前提のもとで遺産分割協議を行いました。なお相手方から遺留分の主張はなされませんでした。
ポイント
特別受益または不正出金についての主張を受け、実際に被相続人の世話のために出金したお金を使っていたというケースにおいては、できる限り1万円を超すような大きな出費については領収書を残しておくことが重要です。ただし、領収書がない場合についても、例えばリフォームをしたという事実から一定の金額の出費に正当性があることを主張するなど、証拠については工夫の余地があります。
本件のように自筆証書遺言は成立を争われることがあるので公正証書遺言の作成がおすすめです。