調停離婚とは
調停離婚とは、裁判所の手続きではありますが、調停委員に話を聞いてもらいつつ、あくまで"話し合いによる離婚"を目指す手続きです。ただし、話し合いですので、合意形成に折り合いがつかなければ、調停不成立となってしまいます。
だからといって、いきなり訴訟はできません。離婚トラブルは、プライベートな問題を多く含み、当事者間でじっくり話し合うことが必要との考え方から、原則として、訴訟提起の前に、まず調停で解決を試みないといけないとされています。
調停の段階で早期に解決したい方、調停手続きに不安がある方、調停委員と理解し合えないと感じる方は、弁護士への相談・委任を考えてみることも必要かと思います。
調停離婚の進め方
- 家庭裁判所に離婚調停を申立てる
- 裁判所が決定した期日に、調停が開催される
- 調停が成立(もしくは不成立が決定)する
- 成立した場合には裁判所にて調停調書が作成される
- 離婚届を作成して役所に提出する
調停離婚のためには、まず離婚を希望する夫婦のいずれかから裁判所に対して離婚調停の申立てを行います。
離婚調停の申立て先は、原則として、相手の住所地を管轄する家庭裁判所です。ただし、当事者の合意がある場合には、合意をした別の家庭裁判所への申立ても問題はありません。
離婚調停を申立てると、おおむね1~2週間ほどで離婚調停の第1回期日が決定されます。決定された期日は、相手方へ裁判所から通知がなされます。第1回期日はおおむね申立後1か月~1か月半後くらいが多いです。
決定した期日に、裁判所にて第1回調停が開催されます。第1回調停のみで話し合いがまとまり、調停が成立(または不成立が決定)すれば、この時点で終了します。
ただし、第1回調停のみで調停がまとまるケースは、あまりありませんので、調停が成立するまで、第2回、第3回、第4回と、複数回の調停が繰り返されます。
調停が成立するか、不成立が決定した時点で調停は終了します。無事に調停が成立したら、調停成立後10日以内に本籍地または申立人の所在地の役所に離婚届と調停調書謄本を提出します。
調停離婚にかかる費用
離婚調停の申立ては、以下のような費用が発生いたします。
(1)戸籍謄本取得費用
離婚調停の申立書に添付する書類として、夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)を取得する必要があります。本籍のある市区町村の役所で申請することによって取得することができます。郵送で取得することも可能です。
(2)収入印紙代
離婚調停の申立書には、収入印紙を貼る必要があります。この費用は、離婚調停の手続きを利用するために家庭裁判所へ納める手数料のようなものです。収入印紙は、郵便局やコンビニで買うことができます。
(3)切手代 (裁判所によって異なる)
離婚調停を申し立てるときには、家庭裁判所が相手側に書類を郵送するための費用として、事前に購入した切手も一緒に納める必要があります。切手の合計金額・組み合わせは、申立てをする家庭裁判所によります。 指定される切手の合計金額・組み合わせは、事前に申立先の家庭裁判所で確認してください。
(4)弁護士費用
弁護士に依頼する場合は、弁護士費用もかかります。 弁護士費用は、弁護士や法律事務所によって変わってきますが、ほとんどの場合、委任時に着手金、依頼完了時に報酬金として発生します。
弁護士への委任をお考えの方は、相談・委任時に弁護士に確認するようにしましょう。
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調停離婚の成立
離婚調停が成立した場合、裁判所からその調停で決定したことが書かれた「調書」という文書(いわゆる調停調書)を裁判所から取得することができます。調停成立後、10日以内に本籍地または申立人の所在地のある市区町村の役所へ離婚届と調停調書謄本を提出することで、離婚となります。
調停離婚が不成立の場合は裁判離婚へ
離婚調停は、あくまで話し合いなので、不成立の場合があります。 離婚調停が不成立ということは、裁判所が、相手方との話し合いでの合意形成は難しいと判断をするということです。
不成立となると、調停手続は終了します。その後の当事者の法律関係は変わらず、また、手続きが自動的に次の段階に進むこともありません。
その場合は、裁判離婚を検討する必要があります。改めて訴訟提起の手続きが必要となりますので、ここまでご自身でされた方でも、ここで弁護士への相談・委任を考える必要があると思います。