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解決事例

相続人に行方不明者がいる遺産分割事例

ご相談内容

 夫が亡くなり,相続人は私と2人の息子だけですが,息子の1人は長年私達夫婦と疎遠で,今どこにいるか分かりません。
 夫は遺言書もなく亡くなりましたが,息子の協力がなければ,夫名義の不動産の名義変更や,預金の払い戻しが出来ないと言われました。どのように動いたら良いでしょうか。

解決事例

 まずは息子さんの戸籍謄本や住民票を取得し,現在の居所を調査しました。
 しかし,息子さんの最後の住民票の住所地にはすでに住んでおらず,その後転居したようですが,転居先に住民票を移転していなかったため,公的な書類で居所を突き止めることが出来ませんでした。
 そのため,家庭裁判所に不在者財産管理人の選任申立を行い,管理人を裁判所に選任してもらった上で,同管理人に遺産分割協議に参加してもらい,無事不動産の名義変更等の諸手続を完了することが出来ました。

ポイント

 相続人の中に疎遠な人や音信不通の人がいる事例はよくあります。
 遺言書があれば,遺産の名義変更等の手続きを進めることが可能ですが,遺言書がない場合,法定相続分に従って遺産分割を行うことになるため,疎遠な人や音信不通の人の手続きへの協力が必要となります。
 公的書類で居所を確認できれば,お手紙を送り,あるいは,調停の申立をするなどの手続で解決を図ることが出来ますが,行方不明の場合のように,生死不明の場合には,失踪宣告の期間経過前の状態では,不在者財産管理人の選任申立が必要となります。相続人の調査から,不在者財産管理人選任の申立,その後の遺産分割協議について,一連の手続を弁護士に委任することで,スムーズに解決を図ることが出来ますので,相続人に連絡がつかずに悩まれている方は,一度弁護士に相談しては如何でしょうか。

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