他の相続人からの誹謗中傷に対応した事例
ご相談内容
母が死亡し,兄弟2人で遺産分割協議を行うことになりました。相手方は,自分が母の面倒を見ていたとして財産を3分の2もらうといって譲りませんでした。私がその分割方法に反対すると,相手方は協議における私の態度を糾弾する手紙を私の職場等に送りつけました。
解決事例
名誉毀損に該当する可能性があると考えて,すぐに告訴状を提出するとともに,警察に相談した旨相手方に通知しました。相手方が逮捕,起訴されるようなことはありませんでしたが,相手方による誹謗中傷はおさまりました。その後,遺産分割協議は法定相続分どおり等分に分けるかたちで成立しました。
ポイント
告訴までするかはさておき,協議における相手方の行為が脅迫じみている,危険を感じるといった場合は,親族間のことであっても警察に相談することを検討すべきと思います。名誉毀損は不特定多数の人間に不名誉事実が伝わる可能性があるという厳しい要件があることや,今回だと手紙を受け取った職場の方への事情聴取が避けられないことなど,実際に刑事処分まで持っていくハードルは高いですが,今回のように警察に相談したと伝えるだけで治まるケースもあります。
被相続人の面倒を見ていたから取り分を多くして欲しい,というのは法律的には「寄与分」に関する話になりますが,今回のようなケースであれば,家族として通常行う範囲を超えて面倒をみた結果,相続財産が増えた(もしくは減少を防いだ)といえる必要があり,認められるケースはそう多くはありません。