相続分の買取で早期解決を図った例
ご相談内容
父・母の相続に関し,姉と遺産分割協議をしなければなりませんが,姉とは10年以上前から音信不通であり,今どこにいるかも分かりません。また,以前住んでいたところをゴミ屋敷にして退去させられてしまった姉なので,遺産分割協議が適切に行えるか心配です。また,ゴミ屋敷の処分費や姉の生活費など,父や母が姉のために生前拠出した財産はかなり多く,その一方で,私は父・母の介護を懸命に行ってきたので法定相続分よりは多くの遺産を相続したいと考えています。
解決事例
まずは,姉の最新の住民票上の住所の確認のため戸籍の附票を取得しました。
最新の住民票上の住所が分かった後,実際にそこに住んでいるかは分かりませんが,お手紙を出してみました。
もっとも,理解能力の点で疑問もあり,またおそらく現金をすぐに手に入れたい生活状況と考えられましたので,遺産分割の申し入れではなく,姉が保有する相続分自体を有償で買い取ることを提案した内容としました。
その後,姉から,署名捺印した相続分譲渡契約書と印鑑証明が送付され,受任から1ヶ月以内でのスピード解決ととなりました。
ポイント
相手方の状況や遺産分割協議に入った場合の手続の煩雑さ等を考慮して,端的に相続分を買い取るという手段をとることが結果的に奏功する場合もあります。