親の資産の使途について疑義をもたれたため,成年後見申立により適切に解決した事例
ご相談内容
私は生前に母親からお金の贈与を受けていたのですが,兄弟から私が横領した,私の資産管理が怪しい,などと不満を言われています。やましいことは何もないのですが,兄弟は疑心暗鬼になっており,解決の糸口が見えません。他の弁護士事務所では相続のときに解決すればよいと言われたのですが,他にいい方法はないのでしょうか。
解決事例
成年後見申立は,資産管理で紛争が生じているような場合にも活用できます。名古屋家庭裁判所が選任した弁護士などの専門家後見人が就任することで,公平な資産管理が可能となります。資産管理に疑いを持っている側も,疑いを持たれている側も,どちらからでも申し立てることが可能です。ご相談を受けた後,お母様の資産を整理し,主治医とも相談し後見相当であると判断し,成年後見申立に至りました。成年後見人には弁護士が選任され,現在はお母様の資産は弁護士により管理されております。
ポイント
成年後見人の選任には,申立費用のほか,毎年かかる後見人の費用も考慮しなければなりません。しかしそれでも,紛争解決の一助となる制度であることは疑いありません。相続のときにもめないように,今,対策を考えましょう。